Q1. 2025年のNewsPicks Expert活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?
まず、自身が近しいところで携わっている、ロボティクスやAIに関する問いは年々増えている実感を持っていたのですが、2025年は特にそれが顕著になってきたように感じました。そして、インタビューやアンケートコメントを回答しているなかで、より具体的な経験・体験について知りたいと意図する質問が増えてきたように思います。それは事業会社からもですが、特にコンサルティングファームやシンクタンクからの要望が増えたように思います。
私が特に導入支援を多くしている医薬における研究ではPC・シミュレーションなどで行えるものをドライ、実際に手を動かして行うものをウェットと呼ばれるものに分かれるのですが、ロボティクスはそのなかのウェットのほうに該当します。そしてこのウェットのところが今まさに知見として求められているものとなります。
インタビューの中でも、また自身がコンサルティングをしている中でも、市場動向を知られたい方からもこういったもの、より具体的な現場感、物質・物体的な知見を求められるものが多くなったと感じています。コンサルティングファームさんからはインタビューを受けることが多いですが、説明するなかでそういった臨場感を求められた回があり、印象に残っています。
Q2. その経験を通して、「自分の知見を発信すること」にどんな価値を感じましたか?
ドキュメントやシミュレーションで得られるものについてはかなり現在のAIによって回答を得やすく、調べやすくなってきたように思います。ほんの数年前までまだChatGPTはまだまだ正確なものを出さないといったものが多くありましたがそれもかなりの情報量と精度を吐き出すようになりました。
一方で実際にロボットにさせる作業についてはあらゆる事象が時にパラメータとなって、時にノイズとなって実現のハードルとしてあらわれます。なかなかやりたい作業を実現できない、繋ぐことが出来ない、うまくハンドリング出来ない、見ることが出来ない…これはそのときそのときの状況・環境によってリアルでは異なってきて、その些細な異なりによって、エラーが起きたりするためです。その切り分けは現場感、ハマった経験値によって出来るようになってきます。また、いろいろなメーカーから次々と素晴らしい技術が生まれてきますが、それをどう組み合わせるか、どのようにつなげるか…というアイデアを得るというのは今時点ではまだ人の優位性、我々Expertの優位性があるところなのではないかと思います。
インタビューの後半・終わりに、イメージがつきやすかった、イメージがわいた、良いアイデアに繋がりそうと言われたときはとても嬉しく充実感が得られました。
その業界にいるのですから当然ですが、知りたい方よりもいざ知ろうとすればドライでもウェットでも得られる知見も多い位置にいますので、さらにインプットをしたくなりますし、有用で役立つ知見は知って頂いて役に立ちたいという前向きなアウトプットに繋がります。このスパイラルでよりExpertの皆様の価値も高められるのではないかと思います。
Q3. 生成AIが発達する中で、人が提供する知見の価値はどこにあると思いますか?
いずれはこういったことも生成AIが出来るようになってくるとは思いますが、少なくとも今現在では人だからこそ提供できる知見の価値は多くあると思います。そして、人はその知見を感情も持たせて伝えることが出来ます。なので…
より現場感のあるものを
よりリアリティを持って
時にダダはまりした、やらかした体験も正直に伝えて
よいものを繋ぎ合わせる
よい企業を繋ぎ合わせる
繋ぎ合わせて出てくるアイデアも何かしら付加価値として提供する
これらが人が提供する価値になると思いますし、そしてこれらを出来るだけ楽しそうに伝えたいと思っています。
シンギュラリティの予想がだんだん前倒しになってきていて、いずれにタイミングかで色々なものがとって変わられるのは理解し受け入れつつ、人だからこそ出来るものを考えたり、共有したり喜んだりすることそのものの価値は変わらないどころかあがっていくものだと思いますので、ますますこのようなExpertの取り組みは重要なものになってくるのではないかと考えています。



