Q. あなたが選んだ副業、その副業を選んだ決め手は?私が選んだ副業は「専門家」としての副業です。この副業を選んだ理由は、まず開始資金として金銭面の持ち出しがないこと、これまでに身に付けた専門知識やノウハウ等の知見が使えること、課題案件を見つけるのが容易なこと、短時間で高報酬であることでした。一般にサラリーマンの副業というと、ホームページを作成してネットで物販を行うことが良く知られていますが、この領域は既にレッドオーシャンであることを認識していました。それでもやろうという場合は、余程、希少価値のある商品を取り扱うことが必要だと考えました。自分にはそのような希少価値のある商品を探すことも入手することも困難と考えました。それに物販となると、当然ながら仕入れが発生しますし、受注すれば梱包や発送作業も発生します。仕入れのための資金が必要ですし、売り残れば在庫になってしまいます。これは副業としてやるには少々しんどいなと思いました。また、体力を使う副業も、私のような長年サラリーマンしてきた人間には向いていないなと思いました。これまでデスクワークをしてきた人間が、副業だからといって身体を酷使するというのも何か違うと思いました。そう考えると、知識やノウハウを活用する専門家としての副業であれば、そんな面倒なことは一切ないということもあり、また自分自身の実力が本業以外の世界でどれだけ通用するのかを試してみたいという気持ちもあったと思います。これまで長い間、本業として続けてきた実務経験の蓄積があるわけなので、おそらく社外でもやっていけるはずだという特に根拠のない自信もあったように思います。それにその副業をやっていくことで、自分の将来の働き方を見つけることができるのではないかという期待もありました。そんなことから結果的に専門家としての副業を選択したのです。Q. 副業を始める前に期待していたこと、実際にやってみた感想・ギャップは?専門家としての副業を始める前は、専門家として相手企業に認められるのだろうか、報酬に応じた貢献ができるのだろうか、本当に役に立つ支援ができるのだろうかと少なからず不安を持っていました。しかしながら、実際に始めてみると、そんな不安は杞憂だったと感じました。相手はたとえ副業であっても、明確な専門知識や専門的ノウハウを持っている者であれば、きちんと専門家として対応してくれるからです。また、対応していくなかで、顧客側が業界に対する基本的な知識がなかったり、誤って理解していたり、また浅かったりすることがほとんどであることに気付き、非常に驚きました。この時点で、これまでに自分の中に培ってきた実経験にもとづく知識やノウハウ、現場感覚が、外部にはいかに貴重なものであるかを認識しました。自分が当たり前と考えていたことであっても、実は世の中そうではないこともあるのだということです。その意味では十分貢献できていると感じます。毎回、顧客企業からは感謝され充実感があるからです。そして、副業経験を通じて自分自身の視野が確実に広がったように感じています。自分の拙い知識や経験、ノウハウを、他の企業に共有していくことで、少しでも日本の中小企業全体の知識レベルでの底上げができれば本当に素晴らしいことだと思っています。Q. 副業を通じて得た意外なスキルや経験は?副業が本業やキャリア全体にどのように影響したか?副業をしていく中で強く感じたことは、自分の知識やノウハウが、実は専門外の人たちには知りたいことだけれどもなかなか知ることができないことだったという実感でした。それまでは自分では大したことではない、ごく普通のことであっても、それを知らない人や実体験が無い人にとっては、まるで「アハ体験」のように感じているということでした。それだけ実体験に基づく知識やノウハウは貴重であるということです。今は知らないことをネットや生成AIで簡単に調べることができる時代ですが、人が現実世界の中で実際に「見たり、聞いたり、感じたり」した実体験ほど強いものはないと感じました。私たちは日々その時々のその場における「時空間」のなかで生きているので、そこにいなかった人にはその場で起きた同じ感覚や、同じ感情を持つことはできないという当たり前のことを再認識しました。生成AIからの答えだけで物事を構築していくと、いつの間にかリアルな現場感覚から遠ざかってしまいかねないということを感じたのです。また、拙い自分の話を聴いてくれる人がいるという事実は、その分野においては十分自信を持っていいんだという自己認識に繋がりました。この領域には強みがあるんだということを、明確に認識できたのです。このことは直接間接に、本業の仕事に対する大きな励みとモチベーションになりました。そしてさらに将来的な自分自身の方向性についても、目指すところが見えてきたように感じます。それまでは持つことのなかった立ち位置を、持てるようになったと思います。これは自らの「キャリア開発」という面で、とても大きなことだったと思います。Q. 副業を始めて、本業への向き合い方や時間の使い方、仕事への考え方に変化はあったか?副業に取り組んでいることによって、自分の知見には確かに「需要」があることがはっきりと理解することができたのでした。そのことは本業を通じて身に付ける知識やノウハウが、価値あるものであることが明確に認識することができたと感じました。そして、それは自分の将来の方向性についても、目指すべき方向が見えてきたということでもありました。その意味で、より一層本業には力を入れていこうというモチベーションになったと感じます。その他、副業を通してさまざまな企業の多くの管理職を見てきたことにより、外部の目から管理職の陥りがちな先入観や、行動特性についても経験知見を深めることに繋がっていると考えています。このことは、これからの企業支援の中で「経験知」のひとつとして、大変役に立っていくものだと感じています。基本的に企業支援案件の場合、時間単価で報酬が決定されることが多いことから、自然に普段の仕事における時間感覚についても、成果や進捗性を意識するようになったと感じています。Q. 副業を探している人に向けて、実体験からのアドバイスするなら?現在サラリーマンの方が、初めて何か副業をやってみたいと考えているのであれば、まず副業によって自分が求めたいことや、期待していることを箇条書きにしてみると良いと思います。自分はどんなことを優先したいのか、何を求めているのか(お金、人脈、情報、成長、自信、承認等)をはっきりとさせることが大切だと思います。漠然と始めてしまうと、途中でこんなはずじゃなかったということになりかねません。今後、日本はさらに人口が減少し、国内需要も先細っていく可能性に直面していくものと思います。現在、大企業にお勤めのサラリーマンであっても、今は安泰ですが将来はわかりません。昨今、有名な企業の行き詰まりや、経営破綻のニュースが後を絶ちません。これまで安泰であった企業でも、これからはわからないといえます。正に先の見えない時代に私たちは生きているということを認識し、万一自分が想定外の状況に陥った場合に備えて、いくつかの戦略オプションを持っているべきだと思います。そのひとつとして、万が一の時に自分自身と家族を守っていくため、「自分自身で稼ぐ」ための能力と、スキルを持っておくべきだと思います。それにはまず副業から始めてみられることをおすすめします。なぜなら副業は、自分自身を「よく知る」ことに繋がるからです。自らの強みや弱みを認識することになります。その上で将来、どんな方向が向いているのか、何をして生きていくのかを考える時間を持つことができるからです。それは自身を成長させる、大きなチャンスでもあると思います。目標が見えてくるかもしれません。大きなやりがいを見つけるかもしれません。なにより、始めてみて自分に合わないと思えばやめればいいわけです。まずは副業から、新しいつながり、新しい世界を経験してみてはいかがでしょう。「キャリア」関連記事はこちら【 #副業で失敗しないために 】副業を始めた理由、選んだ理由、継続する理由 - 鈴木誠一郎https://newspicks.expert/media/post/career2503-1【 #キャリアの幅を広げるか専門性を極めるか 】未来を見据えたキャリア選択と逆算思考 - 長谷部寿大https://newspicks.expert/media/post/career2503-2「幅を広げつつニッチを極める」やりたいことの飽くなき探究 - 立花浩司https://newspicks.expert/media/post/career2503-31つの企業ではあなたの望んだ能力は手に入らない - 溝口洋輔https://newspicks.expert/media/post/career2503-4【 #キャリアの転機で迷ったら知ってほしいこと 】どこに行っても自分なりの何かの軸をもつこと - 山本圭介https://newspicks.expert/media/post/career2503-5価値感とパラダイムチェンジが重要と考える理由 - 田口恵一https://newspicks.expert/media/post/career2503-61年で転職は早すぎる?悩んだ私の決断の軸 - 太田勝久https://newspicks.expert/media/post/career2503-7ホンダからサムスンへの移籍 - 佐藤登https://newspicks.expert/media/post/career2503-8「転職」はキャリアの転機にはなるが「天職」になるとは限らない! - 池田浩孝https://newspicks.expert/media/post/career2503-9面白い仕事を求め、専門性を磨いてきたらエキスパートになりました - 藍野弘一https://newspicks.expert/media/post/career2503-10【 #AI時代に仕事を奪われないために私が実践する学び方 】AI時代のサバイバル:私が実践する学びの未来図 - 木村泰三 https://newspicks.expert/media/post/career2503-11相手の挙動への関心と引き出しの継続的な蓄積 - 権藤祐司https://newspicks.expert/media/post/career2503-12キャリアアップにつながる副業「NewsPicks Expert」とはNewsPicks Expertは、「個人の知見」を「企業の意思決定」につなぐエキスパートプラットフォームです。クライアント企業から様々な相談を受け、これまでの経験や知見を活かした見解やアドバイスを伝えることで報酬を得ることができます。現役会社員が登録者の7割以上を占めており、所属企業でのお仕事を続けながら、30分〜1時間程度のスキマ時間を有効的に活用して挑戦しています。仕事で培ってきたスキル・経験・知見が、所属企業以外で活きるかを確かめてみることから始めませんか?