て掲載するにあたり、元の文章に一部変更を加えている箇所がありますが、内容自体の脚色は行っておりません※2025年9月より、SPEEDAは「Speeda」へ、SPEEDA EXPERT RESEARCHは「Speed Expert Research」と名称が変更になりました。それに伴い、各種サービス名も変更・統一されましたが、本記事ではインタビュー時の情報をそのまま掲載しておりますのでご理解ください。クライアント1:JSR株式会社 様会社概要■社名:JSR株式会社■特色:「Materials Innovation」という企業理念にもとづき、デジタルソリューション事業、ライフサイエンス事業、合成樹脂事業を展開するテクノロジーカンパニー。■業種:化学■SPERの主な利用シーン: 中期計画策定やビジネスデューデリジェンスにおける調査“経営と現場のブリッジ”を担うミドルオフィスとして、事業部を支援したいーデジタルソリューション事業企画部のミッションと役割について教えてください。現在、JSRグループでは「デジタルソリューション」と「ライフサイエンス」という2つの事業が中心になっており、デジタルソリューション事業では、主に半導体用の電子材料やディスプレイ用の材料を提供しています。私はデジタルソリューション事業の経営企画のような役割を担ってまして、担当役員の下で、予算管理や中期計画策定、各種投資案件や事業再編・M&Aなどの企画をおこなっています。我々の部としては、経営マネジメントと現場事業のブリッジ的な役割が多いので、ミドルオフィスとしての機能を意識していて、とくに業務改革に関して、事業部が見えていないことを支援したいと思っています。社内の意見だけが正しいとは限らない。有識者をはじめ広く意見を聞く必要性ー「SPEEDA EXPERT RESEARCH」を導入したきっかけを教えていただけますか?2016年頃からSPEEDAを利用していたので、エキスパートインタビューができるSPEEDA EXPERT RESEARCHという、新しいサービスができたことは認識していました。日々の業務において、いろいろなコンサルタントのアウトプットを見る中で、エキスパートインタビューが重要な要素であり、有識者へのインタビューはとても強力なツールになるだろうと思っていたんです。導入の一番のきっかけは、数年前から半導体業界で持ち上がっていた地政学的な問題、「日韓輸出問題」や「米中の半導体摩擦」です。これまでの延長線上にない環境変化が起きたとき、答えのない問題に対して、有識者はどのように考えているのか、網羅的にサーベイなどができないかと考えていて、最初にサービス導入を検討しました。従来の情報収集は、社内の有識者に聞くことが基本。たとえば、何か調査を始めようと思ったら、開発に聞いてみよう、営業に聞いてみよう、という初期動作でした。従来の方法でうまくいくこともありますが、業界構造が変わったり、我々の事業のポジショニングが変わったりしたときに、果たして社内の有識者の意見が正しいのか、それだけにとらわれていると、従来の成功モデルから脱却できないかもしれないという問題意識がありました。改革につながるようなファクトやオピニオンを生み出すためにも、実際のエンドユーザーの意見や周辺業界を含めた方々の意見を聞いてみると、また違った視点が見えてくるかもしれないと思い、利用をはじめました。目的に応じてFLASH Opinionとサーベイ、インタビューを使い分けるーSPEEDA EXPERT RESEARCHの各サービスをどのように使い分けられてますか?仮説がない段階や迷いがある段階ではサーベイを実施したり、仮説がある場合はFLASH Opinionでアイデアの壁打ちをして仮説を補強したり、仮説をより深めたいときにはインタビューをしたりしています。全く知見がない分野では、最初からインタビューで基礎的なところから教えてもらうこともあります。具体的な事例としては、新規事業探索の一環で、ある特殊な製造プロセス装置の市場予測手法についてFLASH Opinionで複数のエキスパートの回答が集まったときに、非常に説得力のある見解をくださった方がいたので、追加でインタビューを申し込み、より詳しくお話を伺いました。周辺業界の市場の考え方においてブレイクスルーがありましたし、自分である程度計算できることが重要だと思うので、ノウハウの獲得という意味でもインタビューをして良かったと思います。スピーディーなFLASH Opinionは、自分の「部下」のような存在ー取材前のアンケートでは、FLASH Opinionの「スピード感」を評価していただきました。「24時間以内」という点は有効だと考えられますか?たとえば、経営陣への報告を翌週にひかえていて、調査テーマに関する仮説を出したいとします。そのときに、自分の仮説とは違うことを現場が言ってきた、これはどちらが正しいのか把握しないと次に進めない。このような状況下において、走りながら考えられるFLASH Opinionは非常に有効です。たとえば、決して悠長に構えている経営陣ばかりではないので、事前に「あの件どうなってる?」と聞かれることがあります。FLASH Opinionでは1件、また1件とリアルタイムで回答が届くので「今、聞いています」と言うのではなく、「1人の有識者に話を聞くことができました」「このような意見がありました」というように、途中経過を報告することができます。「この件について調べておいて」と言って、回答結果が出た瞬間にメールで連絡が届く。ビジネスで重要な「報告」という点において、これはとてもありがたいです。私の中でFLASH Opinionは、頼りになる「1人の部下」というイメージですね。クライアント2:株式会社電通 様会社概要■社名:株式会社電通■特色:「Integrated Communication Design」を事業領域としたコミュニケーション関連の統合的ソリューションの提供、経営・事業コンサルティングなど■業種:広告・マーケティングサービス、及びコンテンツ・ビジネス■SPERの主な利用シーン: エキスパート・ネットワークを活用したアイデア創出・意思決定支援(Expert Idea 500)のソリューションを開発クライアントが納得して、スムーズに意思決定ができる状態をつくるー主な担当業務について教えてください。私が所属する電通ビジネスデザインスクエアは「愛せる未来を、企業とつくる」をミッションに掲げ、電通内に2017年に設置された部署です。あらゆる領域のスペシャリストが集まり、クリエイティビティの視点で顧客企業の組織課題の解決や新規事業の開発を支援しています。現在は、クライアントの新規事業や新規サービスの創出をサポートしながら、 2020年4月にリリース(※)した新規事業の検討をサポートするサービス「Expert Idea 500(エキスパートアイデア500)」の運用を担当しています。※ 「Expert Idea 500(エキスパートアイデア500)」リリース「何をするのか」、具体策を検討しはじめるとプロジェクトが停滞するー新規事業創出を支援する上で感じた課題を教えてください。クライアントの新規事業創出をサポートする際、ビジョン・ミッション・バリューや事業領域は比較的スムーズに決まります。企業が目指すべき姿や役割など複雑なことを抽象化したうえで言語化することは電通の得意領域ですし、これから伸びる産業や事業領域はある程度の検討がつくからです。しかし、具体的なサービスや事業施策を決めようとすると、うまく進まなくなることが多いです。検討に時間が掛かるのは当たり前で、とても質の高いアイデアが出ても途中で頓挫することさえありました。そんな状況を打破する良い手はないかとずっと考えていました。クライアントは既存事業のプロフェッショナルです。新規事業は既存事業とは違う事業領域を扱うことになりますので、クライアントにとっては知見のない未知の領域となります。知見のない人達がアイディエーションを重ねても「これだ」と思えるアイデアを創出することは難しいですし、そもそも自信を持って最適なアイデアを選ぶことも困難です。 チャンスがあると思える事業領域について、それに詳しい専門家が網羅的にアイディエーションを行い、アイデアの優劣を決めることができれば、最適解の発見を助け、スムーズな意思決定に貢献できるのではないだろうかと考えました。(中略)「Expert Idea 500」は、 SPEEDA EXPERT RESEARCHと共創することで実現した専門家の集合知によるアイデア創出と意思決定支援の新しいアプローチです。SPEEDA EXPERT RESEARCHのエキスパート100人の集合知が、クライアントの新規事業を加速するー「Expert Idea 500」の具体的なサービス内容を教えてください。「Expert Idea 500」は、主に5つのステップがあります。まずは、検討している事業領域に関する専門家を100人以上、SPEEDA EXPERT RESEARCHのエキスパートデータベースから選出し、「専門家ポートフォリオ」を作成します。ステップ2は、クライアントへのヒアリングをもとに、選出された専門家に投げかける「問いの設計」を行います。専門家の発想を引き出す質問の質と、返答しやすい聞き方の工夫がポイントになります。ステップ3は「アイディエーションと評価」です。VISITS Technologies社のアルゴリズムを使用して、100人以上の専門家から収集した500以上のアイデアを、専門家たちが相互評価を行い優劣をつけます。ここまでにかかる期間は、最短で約1.5カ月です。ステップ4では、「類似するアイデアをカテゴライズして、二次評価」を行います。ステップ3でアイデア全てにスコア(評価)を付けているので、分類されたカテゴリごとの平均スコアを求めることができます。そのスコアやアイデアの数を参考にして、領域を絞り込みます。最終ステップでは、ステップ4のスコアを参考にブラッシュアップするカテゴリを選択。企業のアセットを考慮しながら、実現性と事業性を高めていきます。「Expert Idea 500」を使うことで、新規事業の可能性に対してスコアリングができます。それによって検討を早めることが可能になります。不確実性の高い新規事業に対して、具体的なアイデアを持って推進できるー「Expert Idea 500」を利用されたお客様の反応を教えてください。まず、アイデアの網羅性に圧倒されますね。500個以上のアイデアが並んでいる経験自体が殆どないですし、その全てが専門家が考えた質の高いものばかりであることは初めての経験です。相互評価が終わった段階で、クライアントにアイデアの網羅性を確認してもらうのですが、その際には必ず「今まで考えたことがあるアイデアが抜け漏れなく集まっている」と言ってくださいます。クライアントの満足度はかなり高いですね。SPEEDA EXPERT RESEARCHは顧客満足に貢献しています。特定の領域について語ることができる専門家100人を集めることは簡単ではありません。毎回、クライアントと電通でディスカッションを重ねて必要な専門家のタイプはリストアップしますが、集めるのが難しいであろう、攻めの領域の専門家をお願いすることもあります。それでも、SPEEDA EXPERT RESEARCHのリサーチチームから、必ず適切な専門家のみが選出されるので驚きます。ーどのような効果を実感していますか?SPEEDA EXPERT RESEARCHが事業案を具体化することに有効なのは想定どおりですが、中期計画のためのプロダクト・ポートフォリオを作ることに使われたり、10年以上先の産業の未来を具体的に考察することに使われたりもしています。不確実性の高いテーマに対して、専門家視点でのポテンシャルの高い方向性と具体的なアイデアがアウトプットできることから、未来を具体的に考えることが可能です。このニーズの効果も高いことを感じています。ある程度大きなクライアントにおいては、アイデアに求められるのは面白さや新しさだけでなく、確信や納得性です。専門家による相互評価によって定量化されているため客観的に判断することができ、クライアント企業が社内への説明も論理的に行うことができる点も役立っています。最後に4回に渡りお伝えしてきましたクライアントの活用事例、いかがでしたか?あらゆる業界の企業が、それぞれの事業やプロジェクトを推進する中で、エキスパートの知見をうまく取り入れ、活用されています。エキスパートにとっては、自身の所属企業やその業界以外での新たな潮流を知ったり、ご自身の専門性を活かせる喜びが感じられることも多いと思います。エキスパート活動に関心を持たれている方は、ぜひプロフィール登録から始めてみませんか?