異動・転職・出産・発信活動がキャリアの転機にーー これまでのキャリアの中で、転機となった出来事について教えてください。振り返るとキャリアの転機となるようなきっかけはいくつかありました。まず、新卒で入社した会社で、2年目に、産業廃棄物処理工場の管理・改善を行う部門に異動となりました。精神的にも体力的にも大変な環境ではありましたが、同時に「資源循環」というテーマに出会い現場の面白さを知りました。その後、社内の論文コンテストで提出した「リサイクル事業の海外展開」に関する論文で1位をいただき、それがきっかけとなり新規事業開発推進部へ異動することになりました。異動後、海外を含めて様々な環境関係の現場を視察していく中で、環境問題は「日本だけでなく世界で取り組む必要がありそうだ」と実感しました。さらにこの領域を深めて政策レベルの仕事に携わりたいと思い、2016年にコンサルティング会社に転職しました。コンサルティング業務は未経験だったため、転職してしばらくは不慣れなことも多かったですが、上司や同僚にサポートいただきながら経験を積み、徐々にコンサルタントとして信用を得られるようになってきたのが2019年頃です。その当時は、プラスチック問題に対する国際的な枠組みが発表された時期でもあり、世の中全体のゴミ問題への意識が高まってきたタイミングでした。そこで、ゴミ問題に関してもっと学びを深めようと、業務の中で学ぶだけでなく、自らの意見を積極的に発信していくことを意識して取り組みはじめました。その頃ちょうど私が、会社が発行する情報誌に『グローバル化するごみ問題に商機を見出す トップランナーの「循環型」事業戦略』という寄稿をしていました。それを読んだNewsPicksのご担当者からお声がけいただき、NewsPicksのプロピッカー就任の機会をいただきました。そして、その流れでNewsPicks Expertのサービスも知って挑戦することにしました。AIやIoT、DXといった言葉が環境分野でも多く使われるようになった2020年頃、私は「環境問題の経済的課題をテクノロジーで解決できるのでは」と期待を持ち始めました。経済とサステナビリティ・環境の両立を本気で考えるため、ビジネススクールにも通い始めました。そして、その頃にちょうど第一子を出産。育休後、一度は職場復帰をしましたが、またしばらくして第二子の妊娠が発覚したことをきっかけに、「プライベートでもキャリアでも次のステージに進むタイミングかもしれない」と思い、再び転職することにしました。現在はテクノロジー企業でコンサルタントとしてのポジションにおります。自分なりの意見を適切に伝えることで、クライアント企業に喜ばれるーー NewsPicks Expertにエキスパートとして登録してみようと思われたのはなぜでしょうか?NewsPicksプロピッカーとして活動する中で、やはり自分の意見を持つことが大事だと感じており、発信の場としてチャレンジしたいと思ったからです。プロピッカーとして発信する前はハードルが高いなと感じていたのですが、当時会社でお世話になっていたメンターから「コンサルタントとして情報発信を積極的にやることで、自身のブランディングにもなるし、勉強になるから」とアドバイスをいただき、取り組むことにしました。日々仕事をしていると、情報のインプットや事実の整理だけで終わってしまうことも多く、血肉になっていないと感じていたことも背景にあります。ーー 自分の意見を発信するのは大事ですね。不安はありませんでしたか?自社や自社のクライアントの機密情報を守りつつお客様に価値のある情報を提供できるのだろうか、といった不安はありました。ただ、実際に活動してみると、公開情報に経験者としての自分の考えや意見を付け加えるだけでも、十分にお役に立てることがわかりました。ーー NewsPicks Expertのエキスパート活動、NewsPicksプロピッカーとしての発信を通して、どんな発見や影響がありましたか?複数の「コミュニティ」に所属することで、自己肯定感が上がったと思います。業務においてもポジティブな影響があります。コンサルタントとして活動していると、一年間で携われるプロジェクト数には限界があります。ですが、エキスパート活動をしているとプロジェクトの枠組みを超えて、様々な案件に触れることが可能です。私自身もより多くの見解を得ることができて知識の幅も広がりますし、世の中のニーズを捉え、もちろん情報は外に出さないよう自身で消化したうえで、仕事に活かすこともできていると思います。「やりたいこと」を軸に挑戦するための秘訣ーー この先、どんなキャリアを思い描いていますか?現職では、環境問題だけでなく、サステナビリティ全体に責任が広がりました。私自身もビジネススクールに通う中で様々な人の職業観・価値観に触れ、考えることが増えました。私は女性としても、国際結婚の当事者としても、これまで多様な背景を持つ方々と接する機会が多く、その能力やパワーが十分に活かされていないシーンを見てきました。ですので、これからはモノだけでなく、人々の才能や能力も含めたあらゆる未活用の資源を、みんなが幸せに活かすことが可能な、サステナブルな社会への道を切り開くための活動ができたら素敵だなと考えています。ーー 松沢様は「やりたいことができるか」を大切にされていると伺いました。しかし、やりたくても経験がないからできないと感じる人も少なくないですよね。そうですね、私と同じようなサステナビリティに関する仕事をしたいけれども未経験だからできなかったり、ポジションがなかったりすることも多いと思います。でも、そのような方はご自身で勉強をしたり、ボランティアやNPO法人など会社外のコミュニティで活動されているのを見てきました。実務経験がなくとも、必要な経験を社内外で積むことがある程度できると思います。ーー 最後に、新たに挑戦したいと思われている方へ、最初の一歩として何をすればよいか、アドバイスいただけますでしょうか。やりたいことリストを作り、「ずっとリストがなくならないのが気持ち悪い」と思うような状況を作ってみるのはいかがでしょうか。例えば、NewsPicks Expertが気になるなら、「まずはNewsPicks Expertに登録する」とリストに追加することで、実際の行動に繋げやすくなると思います。私も日常的にやりたいことリストを追加・更新しています。ルール化して日々の生活に取り入れてみてください。ーー お忙しい中ありがとうございました。<編集後記>Q&Aでは「メンターの見つけ方」「ジェネラリストか?スペシャリストか?」「上位ポジションに飛び込むべきかどうか?」など、キャリアに関する鋭い質問にお答えいただき、あっという間の40分間でした。松沢様、ご登壇いただきありがとうございました!登壇者プロフィール松沢優希(Yuki Matsuzawa)日本アイ・ビー・エム株式会社IBMコンサルティング事業本部ビジネス・トランスフォーメーションサービス事業サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント環境・サステナビリティ領域のコンサルタント。総合電機メーカー系の環境ソリューション企業にて、新規環境ビジネスの開発やリサイクル工場の管理等を経験したのち、日系コンサルティングファームへ。 環境・資源循環を専門とするコンサルタントとして、官公庁、財団法人、企業等の支援に携わる。国内外の環境関連制度の検討に資する調査業務、リサイクル関連団体の支援や、民間企業の環境戦略の策定支援、工場排出物の管理合理化コンサルティング等、40以上のプロジェクトに従事。2023年1月より日本IBMのコンサルティング部門にて、より実行・実装に近い領域でサステナビリティ関連の支援を行う。2019年、NewsPicksプロピッカーに就任。サステナビリティ関連のニュースを紹介し、コメントしている。2020年、NewsPicks Expertに登録。エキスパートとしての優れた実績や評価獲得を表彰するExpert Awardを、2021年および2022年に受賞。家族にシンガポール人の夫、2人の男の子をもつ。 ※ NewsPicks Expertでの活動および本イベントでの発信は所属組織を代表するものではございません