世界的に蔓延する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、産業界では事業の停滞が避けられない状況となっています。しかし一方で、この危機の中で新たな事業機会を見つける業界や企業も見られるようになりました。
ミーミルでは、各業界における新型コロナウイルスの直近での業績影響や、来期以降への影響、新たに生まれる事業領域や特に打撃が深刻な領域などについて、エキスパートの皆様のご見解をお伺いする緊急サーベイを実施いたしました。
今回は、中国、韓国、台湾、日本など東アジアの国々がその製造を牽引している半導体業界を対象に、当該領域に専門性を有するエキスパート5名の方に、ご見解をお伺いしました。
エキスパート紹介:
1: 外資系大手アナログ、デジタル半導体メーカー 製品設計開発部門Marketing担当
(主に日本市場におけるビジネスデベロップメントを担当)
2: 大手半導体製造装置メーカー 半導体製造事業本部(開発およびマーケティングを担当)
3: 半導体製造装置メーカー 開発部門 課長(ビッグデータ・AIを担当)
4: デバイスメーカー 顧問(専門は半導体製造に関する技術全般)
5: Tier1メーカー パワー半導体開発部門 課長
設問内容:
Question1: 新型コロナウイルスによってもたらされる、半導体業界での今期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。
強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)
Question2: 新型コロナウイルスによってもたらされる、半導体業界での来期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。
強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)
9月までの既存オーダーはキャンセルされず今期影響はニュートラルとの評価あるも、需要低迷や製造停止でのマイナス評価は避けられず
今期:2.0点

今期の業績に対して、影響がないと回答したエキスパートは1名、マイナスのインパクトがあると回答したのは3名、強いマイナスインパクトがあると回答したエキスパートは1名でした。
強いプラスのインパクトがあるまたはプラスのインパクトがあると回答したエキスパートはおらず、総じてマイナスのインパクトが予想されています。
今期の業績に影響がないと予想したエキスパートは、「半導体特有のリードタイムの長さ為に、すでに2020年6月や9月までのオーダーが入っていて現状そのキャンセルが無いこと」を評価の背景として挙げています。
今期の業績にマイナスのインパクトがあると回答したエキスパートでは、「最終需要の落ち込みに伴う影響は避けられない」という声や「3月にアジアの海外子会社が操業停止に追い込まれた」ことによって、マイナスのインパクトが出ると予想しています。ただ、「米国を始めとして、半導体産業は重要基幹産業として人や材料の移動を優先されていること」などを考慮すると、弱いマイナスインパクトに止まる、との見解もありました。
強いマイナスインパクトがあると回答したエキスパートは、近年多くの半導体部品が搭載されるようになった自動車産業で世界的に生産調整が入っており、その煽りを受けて強いマイナスの影響が出るだろうと予想しています。
来期影響は経済回復の不透明感とエンドカスタマー業界の需要低迷により、マイナスの見解強く
来期:1.8点

来期の業績はより厳しさを増し、強いマイナスインパクトを予想する声も増えています。
影響がないと回答したのが1名、マイナスインパクトがあると回答したのが2名、強いマイナスインパクトがあると回答したのが2名という結果でした。今期に引き続き、強いプラスのインパクト、プラスのインパクトを予想するエキスパートはいませんでした。
今期においてはマイナスのインパクトを予想するも、来期では影響がないと回答したエキスパート(2)は、「半導体製造装置への中国や韓国や台湾の顧客の投資はコンスタントに継続し、通年でみると影響がない」という見解を示しています。
来期においてはマイナスのインパクトがあると回答したエキスパート(1)は、今期では影響がないと判断していました。悪化の背景について「今期分はオーダーが入っているが、来期以降はエンドカスタマーの在庫調整の影響を受けるため」と回答しています。
今期に引き続きマイナスインパクトがあると回答したエキスパート(3)は、「新型コロナウイルスの収束時期/ピークが見えず経済回復も読めないため」との見解です。
今期はマイナスインパクトを予想したエキスパート(4)は、「ユーザーセットメーカーにおいて需要の減速と工場稼働率の低下は避けられない」ことを背景に、来期においては強いマイナスインパクトを予想しています。
また今期に引き続き、来期でも強いマイナスインパクトを予想したエキスパート(5)は、「人々の需要減退により必然的に自動車需要も底冷えする」ことが要因であると指摘しています。
半導体業界において今後どのように影響が広がっていくか、引き続き注視していく必要がありそうです。
次回の調査業界は「小売・EC」です。どうぞご期待ください。
ミーミルでは、各エキスパートの今期業績、来期業績への評価コメント全文をお読みいただけるホワイトペーパーをご用意しております。
ご関心のある方は以下よりダウンロードください。
※新型コロナウイルスによる影響:ホワイトペーパーダウンロードページ※
また上記の設問のほか、半導体業界において事業機会が生じる領域(製品)や、反対に打撃をうける領域(製品)、半導体業界のエキスパートからみた、影響が大きいと思われる業界についても同一調査内でご見解をお伺いしています。
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