※ 小売・日用消費財部門の受賞定義:2024年において「小売・日用消費財」領域の案件実績数が最も多いエキスパート最終的には「お客様のため」という目的をぶらさない―― EXPERT AWARD 2024、小売・日用消費財部門の受賞おめでとうございます!井上様は2年連続の受賞です。受賞を知ったときの気持ちを教えてください。昨年に引き続き、私の知見がお役に立っているようであれば非常に嬉しいことです。今年は数多くの案件を相談いただき、本業が忙しくて答えられないときもありましたが、夜など空いた時間に回答するようにしていました。回答にあたっては、経験の記憶を呼び起こしたり、事実を調べたりして、振り返る良い機会になりました。―― ご自身のエキスパート活動を振り返り、どのような点が受賞につながったと考えますか?いただいた質問の主旨に沿った回答ができるよう、まずは質問をしっかりと読み込み、何を知りたいのかを整理して掴むことを心がけています。特に今年一番の発見は、頭の中が整理できていると最低文字数を少し上回る文字数で回答を終えることができる、ということです。整理できていないと、あっという間に500〜600文字ほどになってしまいます。回答が長文になってしまうケースの大半は、プロセスは分かるが結論が分からないという状態です。ですので、結論のみを箇条書きで書くなどして、人に伝わるように書き直しています。また、自身の信念として、「何のためにやっているのか」を必ず考えるようにしています。最終的にはお客様のためにビジネスをしているんだという目的をぶらさないことが大事です。もちろん経営なので利益が求められるシーンもありますが、どこまでお客様に寄り添ってできるかがポイントだと考えています。クライアントからの相談内容ではプロダクト視点が求められていたとしても、お客様視点で足りない点があればはっきりと伝えるようにしています。こうした工夫の結果でしょうか。昨年以上にクライアントからのポジティブなフィードバックをいただき、良かったなと感じています。経営視点を得た今こそ、現場を見ることが重要だと気付いた―― 長年にわたり小売業界でご活躍されています。これまでのキャリアの中で、大きな転換点となった出来事は何でしょうか?転換点は3つあります。一つ目は、経営視点が求められる支社長になったことです。これまで現場から部長へとポジションが上がってきて、現場の業務推進やマネジメントを行ってきました。しかし、支社長になると、それまで責任の範囲外であった予算面・経営面の権限が集中します。予算の重さや経営のシビアさを初めて体感し、勉強になるとともに苦しみました。目標が未達なら外されるという危機感もあり、大きく一皮剝けたのではないかと思っています。二つ目は、ローソンから日本郵政グループに出向したことです。物販サービスの立ち上げに携わる中で、民間企業と公共サービスの考え方やスタンスの違いなどを勉強させていただきました。公共サービスでは「1+1=2」ではなく「1+1=3以上」を求めて考えるものなんだという発見がありました。三つ目は、「優秀なマーケターほど現場をよく知っている」という現場の重要性に気付いたことです。現場からたたき上げて成長してきたマーケターほど実務で尊敬できる方だなと感じます。たとえ業界やオペレーションが変わっても、お客様にものを買っていただくということは共通しています。その点、私は小売の現場から上がってきているため、現場に長く携わっていたことが今の仕事に活きていると感じます。―― その経験を経て、現在のお仕事にはどのような姿勢で取り組まれていますか?やはり「現場を見る」ことが重要だと考えています。日頃の業務では、まず自分で考えて施策に落とし込んでいくもののうまくいかないケースもあります。それは「現場では必要ない」というときです。そんなときは現場を見るようにしています。たとえば売り場でお客様の導線を見て、企画が認知されているかを確かめるのです。活用する媒体や売り方、ポスターの貼り場所など、実際に現場で試行錯誤することで、売上が変わる経験をコンビニでもスーパーでもしてきました。過去には、現場の視点が足りずに失敗したこともありました。自社アプリ開発のプロジェクトリーダーとして、システム設計・開発を外注した際、満を持したユーザーテストで0点を叩き出しました。プロの手によってあらゆる機能を盛り込んで作り込んだ結果、ユーザーからは「機能がありすぎて分からない」というコメントが届いたのです。店舗スタッフにも同様のことを言われて愕然としました。アプリのローンチを半年延期してもらい、店長やスタッフなど現場のメンバーから毎週意見をもらってアプリを組み立て直したところ、ローンチから10ヶ月で1,000万ダウンロードを超える結果となりました。やはり現場の感覚がない状態でプロと組んだとしても、誤った判断・結果になるんだという教訓を得ました。エキスパート活動は本業のブラッシュアップに活きる―― NewsPicks Expertを始めた経緯や、当時どんなことを期待していたかを教えてください。2020年末にNewsPicks Expertに登録しました。登録してみませんかとSNS上でお誘いを受けたのがきっかけです。当時は「自身の知識を可能な範囲で提供することは良いが、果たしてお役に立てるのだろうか?」という疑問がありました。ですが、やってみてダメであればオーダーは来なくなるだろうと考えて始めてみました。2ヶ月ほどやってみたところ案件数も増えてきて、お役に立てているのかなと実感が湧いてきました。―― NewsPicks Expertで活動するメリットや、エキスパート活動が本業に活きていると感じる場面があれば教えてください。NewsPicks Expertでのエキスパート活動は、本業をブラッシュアップしていくための一つのツールだと捉えています。そして、活動の最大のメリットは「振り返り」です。自身の経験や知見を振り返る機会になりますし、復習することで業務の幅が広がっていきます。元々は、本業においても日中からスケジュールが詰まっているため、自身の経験や知見を振り返る時間が取りづらい状況でした。ですが、クライアントから過去の経験に基づく意見や未来予測を求める質問を受けると、おのずと過去の経験や思考を整理する必要が出てきます。自然と振り返る時間になっているなと感じています。日頃からポケット手帳で思いついたことをメモするようにしていますが、振り返りもメモを残しておくことで、たとえば企画資料の作成時に役立ったりもします。案件対応で整理した思考や経験をもとに、本業の実務で考えを深めると、まったく異なる結論になったこともありました。2〜3年ほど活動してみてこのようなメリットがあると分かりましたが、始めた頃は結果は気にせずに整理するきっかけの一つとして取り組んでいました。経験や思考の振り返り・整理を続けることで、トレンドの変化を掴むことができたり、本業においてもメンバーの考えを問うてみたりと、やり方も変わってきたと感じています。クライアントから役に立ちましたといったお声をいただくとモチベーションになりますし、他にもお役に立てる知見があるのだとすればもっとアウトプットする必要があるなと考えております。私のNext Chapterは「お客様が買い物を楽しめるステージづくり」―― 最後に、今回のEXPERT AWARD 2024のテーマは「Next Chapter」です。ご自身にとっての新たなステージとして、これから挑戦したいことや今後のキャリアの展望をお聞かせください。私はずっとマーケティングに関わっており、「すべてはお客様のために」という軸はぶれずに持ち続けています。その上で、これまでは「ものを買っていただくにはどうすればいいだろうか?」と考えていましたが、それだけでなく最近では「どうすれば楽しんでもらえるだろうか?」ということも考えるようになっています。スーパーは「お客様を楽しませるステージ」だと捉え、ワクワクできる空間をお客様に提供したい、ということを考えながら仕事をするようになりました。そう思うようになったのは、以前コンビニの会社勤務の頃に、2大テーマパークのオフィシャルパートナーとして、お客様の表情を見たときです。パークの中にいるお客様はみんな笑っていて、怒っている人が一人もいなかったんです。この状態を小売の現場で演出できないかなと思うようになりました。買い物の楽しみ方は一つじゃないと思います。先をゆく他社の事例も参考にしながら、今後も、よりお得な商品を手に入れるお買い上げと、楽しかったなと思ってもらえる体験を提供していきたいと考えています。―― 貴重なお話をありがとうございました!今回インタビューしたエキスパートが受賞した「EXPERT AWARD 2024」小売・日用消費財部門にノミネートされたエキスパートの一覧は以下からご覧いただけます。https://newspicks.expert/media/post/expertaward2024-nominated-retail-and-daily-consumer-goods【 関連リリース 】「EXPERT AWARD 2024」全11部門・10名の受賞エキスパートを発表!(2025年4月3日)https://newspicks.expert/media/post/expertaward2024-winnerエキスパート活動を表彰する「EXPERT AWARD 2024」開催決定! 全11部門・43名のノミネート者を発表。(2025年3月13日)https://newspicks.expert/media/post/expertaward2024キャリアアップにつながる副業「NewsPicks Expert」とはNewsPicks Expertは、「個人の知見」を「企業の意思決定」につなぐエキスパートプラットフォームです。クライアント企業から様々な相談を受け、これまでの経験や知見を活かした見解やアドバイスを伝えることで報酬を得ることができます。現役会社員が登録者の7割以上を占めており、所属企業でのお仕事を続けながら、30分〜1時間程度のスキマ時間を有効的に活用して挑戦しています。仕事で培ってきたスキル・経験・知見が、所属企業以外で活きるかを確かめてみることから始めませんか?