専門領域の情報収集において、特に大事にしている情報源
専門領域の情報収集では、情報源ごとに役割を分けています。
鮮度の高い情報はXやYouTubeなどのSNS、深い理解は書籍、業界ごとの実態把握はウェビナーやイベント。
実務的な面は専門家や現場の方との対話からになりますが、ここの頻度は少ないです。
SNSは新しい技術や市場の変化を早く捉えられる一方で、
現在のSNSのアルゴリズムでは話題性やインフルエンサー性が強く働き、ポジティブな意見だけが拡散されやすい面もあります。
そのため、XではGrokなども活用しながら、国内外の肯定的な意見と否定的な意見の両方を確認し、
さらにテーマに専門的な知見を持つ人を見つけて継続的にウォッチするようにしています。
「SNSの情報は参考にするけど鵜呑みにしない」がポイントだと思っています。
最重要と感じたものについては複数の生成AIやAIエージェントで駆使してDeep Researchを試みます。
ITやAIの技術については、「これは体験した方がよい」と感じたものは実際に自分で検証します。
使ってみることで機能面の特徴だけでなく、導入時の難しさ、運用上の懸念、実務で使える場面と使いにくい場面が見えてきます。
一方で、深く理解するには今の時代でも書籍が非常に重要だと考えています。
隔週程度で池袋のジュンク堂を巡り、技術書を探すだけでなく、
経営、産業、組織、社会動向などの注目されている話題を確認します。
SNSで話題になった専門家の知見が書籍として出版されることも多く、内容も充実しています。
システム開発会社として多様な業種・業態を支援する立場上、
ITやAIそのものだけでなく、各業界がどのような課題を持ち、どのようにAIを活用しようとしているのかを知ることも大事です。
そのため、ウェビナーに参加して異業種の動向も積極的に収集するようにしています。
自分の専門であるIT・AIの知見と非専門領域である各業界の実態を掛け合わせることで、
オープンに公開されている知識から自分ならではの知見として磨かれ、
それがクライアントの課題解決やビジネス成長に直結することも少なくありません。
専門領域の情報を自分の中に取り込み、使える状態にするために工夫していること
前述のように最初の情報としてはSNSをはじめとするWebが多いです。
これらの情報をSlackとAIエージェントを使って「あとで読む」「要約」「ナレッジ化」を実現しています。
多くの情報が飛び交う時代ですから1日に10件以上の「興味がある話題」が出てくることもありますが
日々の業務もあるのでなかなか全てを把握できません。
気になる投稿や記事に出会った場合、カテゴリごとに分類したSlackチャンネルにURLだけをポストします。
SlackにはAIエージェントを連動させており「記事の要約」が自動で返信として届きます。
私は要約を読み、深掘りするかスルーするかを判断しています。
AIエージェントは要約の内容と、私が記事に対して投稿したコメントを「メモリー」として記憶してくれるので、
後日「あれなんだっけ?」「これについて知ってる?」のように自然言語で尋ねて記事と要約を引っ張り出してもらっています。
スルーした記事でも後々大事だったこともあるので助かります。
専門外の分野で、自分の仕事や思考に意外な形で効いている情報源や習慣
専門外の分野については、異業種向けのウェビナーや現地セミナーから意識的に情報を得るようにしています。
自分から検索するだけではどうしてもITやAIなど自分の専門領域に情報が偏りがちです。
一方で、異業種の方の話からはWeb検索だけでは辿り着きにくい業務課題や現場の実態に触れることができます。
我々システム開発の専門家は、技術の使い方や作り方は深く理解していますが、
技術をビジネスに結び付けて価値を出すには各業界の業務フローや課題の理解が欠かせません。
業種が異なっていても情報共有の難しさ、属人化、現場業務の非効率、データ活用の課題などには共通点があり、
ある業界で得た知見が別の業界の提案やシステム設計に活かせることも多いです。
また、NewsPicks Expertのオピニオンやインタビューへの回答も、自分にとっては良い経験になっています。
回答する過程で過去の経験や知識を振り返り、自分の考えを言語化できます。
さらに、インタビューで対話することで、自分だけでは気づけなかった新しい視点や発見を得られることもあります。
私の「インプットの流儀」を言葉にすると
私自身のインプットの流儀を言葉にすると、「広く、深く、早く」です。
多くの業界から教養や現場の知見を学び、新しい技術をいち早く察知し、
それをビジネスに活かすために分析・洞察・取捨選択を行う。
この姿勢が先が読みづらく予測困難なVUCAの時代において、
AIを単なる便利ツールではなく事業の中心に置くビジネスへ変革する鍵になると考えています。
AIの登場によりシステムエンジニアは世の中の仕事の中で
いち早く、大きな変革を求められています。
その変化は今後、多くのホワイトカラーのモデルケースにもなるかもしれません。
この考えに至り、自分の行動を変えるきっかけを与えてくれたのは、良くも悪くもAIの登場でした。
どの業種・業界であっても、「広く、深く、早く」情報を収集し、考え、行動に移すことができれば、
単に生き残るための戦いではなく、明るく楽しく仕事ができる未来に繋がると信じています。
本記事は、NewsPicks Expertに登録する各業界のエキスパートが、自身の経験から「専門領域の情報をどう選び、取り込み、仕事に活かしているか」を言語化する寄稿企画「#インプットの流儀」の一編です。
情報源の選び方、取り込む習慣、整理・消化の方法、専門外からのインプットといった多様な視点からの寄稿は、以下の一覧ページよりご覧いただけます。
https://newspicks.expert/media/category/input-style
「インプットしているのに、うまく仕事につながらない」——そんな感覚は、多くのビジネスパーソンに共通するものです。本記事で描かれた情報の選び方・取り込み方・活かし方が、ご自身の型を見直し、次の一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。
一人のエキスパートが培ってきた情報との向き合い方は、言語化され共有されることで、業界や職種を越えて応用できる知見になります。こうした知見がどのような現場で生まれているのか、続けてお届けしていきます。



