専門領域の情報収集において、特に大事にしている情報源東洋経済やダイヤモンドなどのビジネスメディアを定期的に閲覧する一方で、特定の著者や識者の書籍・発信も継続的にチェックしています。特に、国際情勢、リベラルアーツ、ビジネス思考をテーマとして、山口周さん、佐藤優さん、原田マハさん(美術分野)の情報を重視しています。一見すると異なるジャンルのように見えますが、「物事の本質を見極めること」「固定観念にとらわれず、多角的に考えること」という点で共通していると感じています。例えば、佐藤優氏は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻時、多くのメディアが軍事的側面や西側優勢の見方を強調する中で、歴史的背景や外交的視点、日本が取るべき立ち位置について冷静に分析していました。感情論や一方向の情報に流されず、多面的に状況を捉える姿勢に大きな価値を感じています。専門領域の情報を自分の中に取り込み、使える状態にするために工夫していること新聞やダイヤモンド、東洋経済などのオンライン記事については、まず全体を流し読みし、広く情報に触れることを重視しています。その上で、気になったテーマやキーワード、推薦図書などをメモに残し、後から掘り下げられるようにしています。さらに関心を持ったテーマについては、AI検索を活用して関連情報を整理したり、紹介されている書籍を実際に書店で手に取り、斜め読みをして内容や相性を確認します。自分にフィットすると感じた場合には購入し、その周辺領域の関連書籍も含めて複数冊読むようにしています。特に専門外の分野を学ぶ際には、いきなり専門書に入るのではなく、まず入門書から読み始め、5冊程度を通読することで理解を深めるよう意識しています。異なる著者の視点を比較することで、知識を立体的に整理しやすくなるためです。また、理解を定着させる観点から、重要な書籍は紙の本を中心に読むようにしています。電子書籍は大量の情報を効率的に確認するには便利ですが、自分の場合は紙の本の方が記憶に残りやすく、内容を体系的に整理しやすいと感じています。専門外の分野で、自分の仕事や思考に意外な形で効いている情報源や習慣私の場合、本業は公認会計士・税理士業務ですが、関連分野として法律、不動産、経営・ビジネス分野の情報にも日頃から触れるようにしています。こうした領域の専門家との人脈を通じて、新たな仕事につながったり、自分の専門領域だけでは得られない視点や情報を蓄積できたりする点は大きな財産になっています。また、個人的な趣味としてワインがあります。趣味の集まりを通じて、単なる嗜好品としてではなく、「どのように価値を伝え、ブランドとして成立させるか」というマーケティングやビジネス感覚を学ぶ機会が多くありました。例えばワインは、品質だけでは売れず、ストーリー性やブランドイメージ、価格帯、販路などを含めた総合的な設計が重要になります。一方で、酒類という特性上、売り込みを前面に出しすぎることへの違和感や、倫理観とのバランスも求められます。本業とは一見関係のない分野に見えますが、こうした経験を通じて、ビジネスの本質である「ブランドの構築」「商流の作り方」「信頼や倫理観とのバランス」を考える視点が養われ、現在の業務にも大きく役立っていると感じています。私の「インプットの流儀」を言葉にすると社会問題や国際情勢を見ていて感じることですが、一方向からの見方だけでは、物事の本質を見誤ることがあると考えています。固定観念にとらわれることは視野を狭め、誤った結論につながりやすいため、できるだけ異なる立場や意見に接することを意識しています。その一方で、多角的な視点を持つだけでは不十分であり、判断の前提となる基礎知識や事実関係を正確に把握することも重要です。特に、事実と意見が混同されていないか、自分自身が基本的な認識を誤っていないかを常に確認するようにしています。現在はテレビやインターネット、SNSに加え、AIを活用した情報収集も一般化していますが、情報量が多い反面、事実誤認やバランスを欠いた意見も少なくありません。そのため、情報をそのまま受け入れるのではなく、複数の情報源を比較し、自分なりに検証する姿勢を大切にしています。私自身は、「インプット→アウトプット→検証」というサイクルを繰り返すことが、知識を単なる情報で終わらせず、実際に使える判断力へと変えていくために重要だと考えています。本記事は、NewsPicks Expertに登録する各業界のエキスパートが、自身の経験から「専門領域の情報をどう選び、取り込み、仕事に活かしているか」を言語化する寄稿企画「#インプットの流儀」の一編です。情報源の選び方、取り込む習慣、整理・消化の方法、専門外からのインプットといった多様な視点からの寄稿は、以下の一覧ページよりご覧いただけます。https://newspicks.expert/media/category/input-style「インプットしているのに、うまく仕事につながらない」——そんな感覚は、多くのビジネスパーソンに共通するものです。本記事で描かれた情報の選び方・取り込み方・活かし方が、ご自身の型を見直し、次の一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。一人のエキスパートが培ってきた情報との向き合い方は、言語化され共有されることで、業界や職種を越えて応用できる知見になります。こうした知見がどのような現場で生まれているのか、続けてお届けしていきます。