専門領域の情報収集において、特に大事にしている情報源大事にしている情報源は主に2つを軸にしていて、一つ目は紙媒体、特に月刊誌。二つ目は専門性のある人たちと直に接することである。それらを手掛かりにして、情報の深みを増す努力をすることにより、情報の拡大再生産が実現する。月刊誌の記事は即時性に欠けるが、その時間的な不利を跳ね返す内容、情報の料理の仕方とその結果が含まれることが多い。その観点を取り入れると、ネットやSNSで得られる即時性のある情報を自分なりに先に生かせる解釈ができてくる。具体的には文春の本誌、噂の真相(休刊)、選択、FACTAにはお世話になってきた。紙媒体特徴として、さして興味のない記事も、否応なしに目に入ってくるのが良い。仕事柄、専門性のある方々である金融機関の皆さんや、監査、税務の先生方との面談が、情報の仕入れの良い機会となっている。仕入れの対価に良いのが、先方には無い情報、或いは忙しさなどから見ていないであろう情報である。お互いが与え合う関係が成立すると長続きする。私の提供する話は雑多なもので、雑学と受け売りの範囲には収まっているが、相手方は、そんな話に割く時間が無い皆さんなので、それなりに関係が続いているものと思っている。専門領域の情報を自分の中に取り込み、使える状態にするために工夫していること紙媒体の読み方として、詳しい人から話を聞く際に、その前提となる素地ができる程度には読み込むようにしている。こちらが分かる素地があると、そこに興味を持つ人たちは気持ちよくお話ししてくれる。それが持つ面白さを私も理解できるようにもなるので、情報の間口を広げるよいきっかけにもなる。専門性のある皆さんとの面談では、私の側の守秘義務は厳しくはないが、あえて相手方に合わせて腹に納めるように努めており、先方への安心感と深めの情報の入手につながっているように思う。そこで得られた専門性のある情報の深みは、応接室でのやり取りだけでは不十分なので、会話の内容を手掛かりに、まずはAIさんになげてみて、次は専門書などを読み込むことで、私の水準を上げておくと、その次の接触の機会には更なる手掛かりがもらえることも出てくるという好循環が生まれてくる。特に無理している訳でもなく、これは実行していけば面白くなってくるので、続いている次第である。専門外の分野で、自分の仕事や思考に意外な形で効いている情報源や習慣専門外の分野で効いている情報源は、ジャズクラブ、ホテルのバーとフィットネスクラブ。周りに人がいるのだけれど、一人になって考え事ができて、しかも怪しまれずに過ごせるという共通点がある。そういう場で、ほぼ聴きながら、偶に話しながら、翌日の仕事の段取りを考えるのを好んでいる。普段の仕事で出会わない人たちから聞こえてくる世間話や、その場を作っている人たちとの雑談、或いは奏でられている素晴らしい音、リズムに短時間でも集中することで、視点が変わる、伝聞での情報の誤りに気付くなど、意外な成果が得られたりする。そこで得た手がかりから、調べていく作業も面白い。とはいえ、良い気分転換が元々の狙いであるので、ただ楽しんで終わるのがほとんどであり、情報源としての打率は低いが、たまに得られる副産物は価値が大きく、長打が得られる。私は話しかけられない限りは話さないけれど、振られたら返すという、怠惰な姿勢を維持して楽しんでいるのだが、それには振られたら返せるだけの準備は要るのも事実で、そこに普段の情報集めと整理の成果を充ててもいる。私の「インプットの流儀」を言葉にすると希少性や本質をともなう価値ある情報を得るには、その手掛かりや内容を与えてくれる人に対して、こちらからも、相手にとって手がかりとなるもの、時には価値ある回答を与えられるようにする行動を続けていくと、良い循環が長く続けられる。言い換えると、ジャズバンドの演奏のように、お互いがソロを取って、お互いに支える関係性を目指すというと堅苦しいが、お互いに楽しめることを目指すと良い循環が実現してきたように思っている。具体的には、間口を広げるためのきっかけをもらうこと、きっかけをもらったら深掘りしてみることであり、きっかけをもらうには、興味のないことでも、それが世間の支持を集めているならば、その情報を理解する素地さえ準備すれば、水先案内人は案外見つかりやすい。面白くするための準備をしておくことは、一見無駄が多いように見えるとも思うが、そうすることで得られるものも少なからずある。本記事は、NewsPicks Expertに登録する各業界のエキスパートが、自身の経験から「専門領域の情報をどう選び、取り込み、仕事に活かしているか」を言語化する寄稿企画「#インプットの流儀」の一編です。情報源の選び方、取り込む習慣、整理・消化の方法、専門外からのインプットといった多様な視点からの寄稿は、以下の一覧ページよりご覧いただけます。https://newspicks.expert/media/category/input-style「インプットしているのに、うまく仕事につながらない」——そんな感覚は、多くのビジネスパーソンに共通するものです。本記事で描かれた情報の選び方・取り込み方・活かし方が、ご自身の型を見直し、次の一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。一人のエキスパートが培ってきた情報との向き合い方は、言語化され共有されることで、業界や職種を越えて応用できる知見になります。こうした知見がどのような現場で生まれているのか、続けてお届けしていきます。