専門領域の情報収集において、特に大事にしている情報源
ミドル世代の私は、現在、経営変革や事業成長をテーマに企業の支援活動をしています。
物事の原理や本質は大きくは変わらない一方で、社会、テクノロジー、消費、働き方などのトレンドは常に変わっていきます。 その不変の原理と変化する潮流をどう重ねて見るかを意識しながら、日々の情報を取りに行っています。
まずは、ニュース全般です。テレビニュースは定期的に視聴し、新聞や雑誌も電子版でざっと読みます。もちろんネットニュースもチェックします。
午前中に自室でワークしているときはFMラジオをつけていますが、そこでもいい情報が流れてくることがあるので聞き耳を立てます。
ただ、それはあくまでも基礎情報です。その上で、メガトレンドリサーチと、さまざまな現場の話を重視しています。
公的機関の調査や企業のIRなども、必要に応じて確認します。
そして、何よりも肌感を得られるのは、経営者、事業責任者、マーケターの方との直接対話です。公開情報だけではわからない意思決定の背景や、現場で起きている温度感や違和感は、対話の中から見えてくることが多いからです。
今の経営や事業にはDXやAIの観点も外せない要素です。 特にAIは動きやアルゴリズムが日々変わるため、実際に幅広く課金しながら、さまざまな観点で試すことを習慣にしています。 また、この領域も含めて詳しく知りたいテーマについては、エキスパートのセミナーを聴きに行く、動画チャンネルやオンラインでのトークライブを見る場合もあります。
聞く、視る、調べる、試す。この4つの行動が、自分にとってのインプットの基本になっています。
専門領域の情報を自分の中に取り込み、使える状態にするために工夫していること
インプットだけでなく、アウトプットもしないと、情報の咀嚼、さらには思考には行きつきません。
まず意識しているのは、自分なりにじっくり考えて体系化することです。「これは本当にインパクトのある論点なのか」、「どの判断で使えるのか」、「仕事で本当に使えるのか」といった問いに置き換えるようにしています。その上で、自分の言葉に置き換えて、第三者に伝えられるようにまとめて話す。さらに文章に落とすことも大切にしています。
いざ話してみると、曖昧な部分を感じる場面もあるし、書いてみれば、論理の飛躍や理解不足が見えてきて悩むこともあります。
話して、書いて、また考える。その繰り返しの中で、情報は少しずつ自分のものになっていくのだと思います。
専門外の分野で、自分の仕事や思考に意外な形で効いている情報源や習慣
端的に言うと、業界や世代を超えた人との会話です。
そのための会食やブレストの機会を大切にしています。メガトレンドは、ビジネスでは共通している部分があります。DXやAIをとっても、業界を超えてどこの企業でも必要とされています。
一方で、それをどう受け止めるか、どう使うかは、業界、立場、世代によって大きく異なります。デジタルへの向き合い方にしても、50代とZ世代では全然違います。若い世代の感覚や判断軸を知ることで、施策の方向性や伝え方も変わってきます。自分と近い業界、自分と近い世代、さらに言えば限られた人脈の情報だけを見ていると、固定観念も加わり、どうしても視野が固まってしまいます。
情報収集というよりも、半歩先を考えるためのヒントを幅広く集めている感覚です。それが、今日と明日を生きる自分のスタンスにつながっています。
私の「インプットの流儀」を言葉にすると
私がインプットの姿勢で心がけているのは、「周辺の雑知識は豊富でも、コアの部分が空洞になっていないか」を常に問い続けることです。
酒席の雑談ならトリビアネタになりますが、仕事にする以上は、事実や流れに沿って情報を取り、自分なりの思考で畳んで言語化することが必要です。大事なのは知識量そのものではなくて、情報・知識を判断や行動に変換できるかどうかです。
経営変革や事業成長の局面では、情報の解像度とスピードが問われます。だからこそ、「分かったつもり」にならないように、情報をしっかり噛み砕くことを大切にしています。
私にとってのインプットとは、知識を高速で膨大に増やす作業ではなく、次の一手を考えるための重要な材料を見つけて整えることではないかと考えています。
本記事は、NewsPicks Expertに登録する各業界のエキスパートが、自身の経験から「専門領域の情報をどう選び、取り込み、仕事に活かしているか」を言語化する寄稿企画「#インプットの流儀」の一編です。
情報源の選び方、取り込む習慣、整理・消化の方法、専門外からのインプットといった多様な視点からの寄稿は、以下の一覧ページよりご覧いただけます。
https://newspicks.expert/media/category/input-style
「インプットしているのに、うまく仕事につながらない」——そんな感覚は、多くのビジネスパーソンに共通するものです。本記事で描かれた情報の選び方・取り込み方・活かし方が、ご自身の型を見直し、次の一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。
一人のエキスパートが培ってきた情報との向き合い方は、言語化され共有されることで、業界や職種を越えて応用できる知見になります。こうした知見がどのような現場で生まれているのか、続けてお届けしていきます。



