今回の調査テーマ「サプライヤーとの関係構築・マネジメント」について
製造業(製造・機械・電気製品)におけるサプライヤーとの関係は、グローバル化の進展や環境規制の強化、そしてデジタル化による業界変革が一層進む中で、単なる取引を超えて企業の未来を左右する重要な要素となっています。
特に地政学的リスクや市場の不確実性が増す中、企業が持続的な競争力を維持し、安定した供給を確保するためには、サプライヤーとの信頼関係をいかに構築し、強化していくかが鍵となります。
これからの製造業において、サプライチェーンの安定性と強靭性を確保するための戦略とは何か?サプライヤーのリスクを検知し、より連携を強化して共に成長するための取り組みにはどのようなものがあるのか?
これらの課題に焦点を当て、今後の製造業における成功の鍵を探るべく、NewsPicks Expertに登録して活動するエキスパート3名に見解を伺いました。
※エキスパートの皆様には、所属企業の秘密情報の漏洩・剽窃等に抵触しないよう注意喚起を行い、ご同意いただいた上で、本記事掲載の回答を頂戴しております
※ご回答内容の掲載順はお名前の五十音順です
※本記事に掲載されている所属や肩書きは、すべて調査回答当時のものです【設問1】サプライヤーとの効果的な関係構築のために行っている取り組みや事例について公開情報の範囲でご教示ください。
▼河村聡太郎 氏
信頼関係の構築が重要だと思います。できるだけタイムリーに情報共有する、また課題が発生した際にも早い段階で共有してもらいやすい状況を作っています。
利用を禁止されている企業はまだ多いと思いますが、SNSやチャットはタイムリーに情報収集・伝達する上で有意義なツールです。それとは別に公にログとして残せるITツールで正式な情報を残せる仕組みはあります。
見積についてはかなり突っ込んだ交渉を行います。その際にも先方の事情を確認し、自社の事情も伝え交渉します。
▼藤原慎二 氏
サプライヤーを単なる原材料供給会社として認識するのではなく、協業企業であるとの認識に立脚することが大切であると考えています。
これは、円安、原油高、人件費増嵩、原材料資源の不足など、私達を取り巻く市場環境の変化が劇的に変化しているからです。
サプライヤーとの効果的な関係構築の事例として、サプライヤーとの協業に向け、商品開発、生産計画、販売実績などの情報をサプライヤーに開示し、フレシキブルな原材料供給を可能にしています。
▼山本拓也 氏
データの共有、秘密保持の契約、定期的な改善活動、生産や販売や在庫に関する企業の方針の共有、使用しているシステムや管理手法と共有、数値指標の共有、ゲインシェアの取り組み、など。
相手企業と相手担当者の手法や能力によって、状況は様々あるので、相手によって柔軟に変化のある交渉を行うことが必要です。
例えば、相手が自社を上回る管理手法を導入している場合は、お互いの相違点と合致点を確認し、向かうべきゴールを設定するなど。
【設問2】サプライチェーンのマネジメントにおいて、最近注目している技術をその理由も含めて教えてください。
▼河村聡太郎 氏
これまで部材調達で国内の大震災の度に影響を受けている、影響度合いを確認する、部材確保に多くの工数を費やしているので、リスク管理BCPについては継続的なテーマです。
これは製品に対するリスク管理だけでなく、製品を作成する各種機材の入手経路確保は、企業活動を継続する上でとても重要です。
一方でサプライヤー側は出荷できる状態にあっても、発注するための情報にアクセス出来なければ停止してしまいます。
手作業で対応するには処理量が多いため、こちらも時代にあったBCP対策・対応が必要と考えます。
▼藤原慎二 氏
海外サプライヤーから国内仕向け地、自社生産工場、自社から流通まで(スコープ1~3)のCO2排出量などが簡便に算出できるシステムは魅力的です。
加えて、リスク管理の視点から、地震などの災害などで製造不可の工場が発生した場合の、国内への供給可能品種、数量、そして経営へのインパクトがシミュレーション出来るシステムを実装している企業は不測の事態に強い企業と言えます。
このように、従来のサプライチェーンのマネジメントは、需要予測中心からS&OP(予算管理:売上と数量)へ進化し、今やリスク管理と地球環境を守る視点へ移ってきています。
▼山本拓也 氏
AI利用によるサプライチェーン全体最適
これまで製造業を中心に行われてきた俗人的な生産管理の脱却のため、データを活用した需要予測、生産、販売、在庫管理の業務負担を軽量化し、かつ精度を向上させるためにAIの活用が必要となってきた。
自社の取り組みだけでは限界があるので、顧客やサプライヤーとの取り組みも必要となり、エビデンスやデータサイエンティストの目線を利用することも必要となってきている。
以上の理由から、AIの活用が必要となっている。
「NewsPicks Expert」とは

NewsPicks Expertは、「個人の知見」を「企業の意思決定」につなぐエキスパートプラットフォームです。
クライアント企業から様々な相談を受け、これまでの経験や知見を活かした見解やアドバイスを伝えることで報酬を得ることができます。
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「FLASH Opinion」とは
FLASH Opinion(フラッシュオピニオン)とは、クライアントからの質問に対し、エキスパートの方々に24時間以内にテキストで回答いただく案件です。
今回の記事のように、一問一答形式で、5名以上のエキスパートからの回答をクライアントに提供します。
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回答いただいたエキスパートのプロフィール
※本記事に掲載されている所属や肩書きは、すべて調査回答当時のものです河村聡太郎
自営業 プロジェクトマネージャー
製造装置メーカーの設計系システムのITマネージャーを担当。定年退職で独立後、プロジェクトマネージャー業を請け負う。
藤原慎二
経営共創センター合同会社 代表執行役員社長
大手ビール会社、大手飲料清涼会社で経営企画、SCM部、海外事業を歴任。現在、大手食品会社、中堅卸、中堅製造企業向けのコンサルティングを行っています。
山本拓也
Deux et Brio 合同会社 代表取締役
DX、新規事業、SCMのコンサルタントとして、25年の経験があります。
