副業を始める会社員が近年増加しています。背景には、物価上昇や将来不安に加え、「本業以外でも収入を得たい」「自分のスキルを試したい」といったキャリア志向の高まりがあります。中でも営業職は、どんな業種でも求められる汎用性の高いスキルを持っているため、副業に活かしやすい職種の一つです。特に、営業経験がある方は、商談代行やアドバイザー業務など、専門性を活かしながら働ける副業の選択肢が豊富にあります。働き方もリモートや土日限定など柔軟に選べるため、営業の副業はスキマ時間で始めやすく、続けやすいのが特徴です。本記事では、営業スキルを活かした副業の種類や、始め方、注意点などをわかりやすく説明します。営業経験を活かした副業の種類・求められる営業スキルとは営業スキルを活かした副業には多様な選択肢があり、それぞれに適したスキルや働き方があります。自分の得意分野や働き方の希望に応じて、最適な副業を見極めていくことが大切です。ここでは、具体的な副業の種類と、求められる営業スキルや報酬形態について紹介します。営業代行(商談代行)企業に代わり営業活動を行い、新規顧客の開拓や商談、提案・クロージング、契約獲得を担います。企業の営業担当者として活動し、成果が直接的に求められる副業です。<求められる営業スキル>ヒアリング力、提案力、クロージング力営業成果にコミットする姿勢企業の代表として信頼を得る対応力<報酬形態>成果報酬型(成約1件数万円など)固定報酬型(月数万円など)固定+成果報酬のハイブリッド型営業支援営業活動を支える業務全般を担う副業で、営業資料の作成、見込み顧客リストの作成、アポイント取得支援などが中心です。リモートで対応しやすく、稼働時間を柔軟に設定しやすいのが特徴です。<求められる営業スキル>事務処理能力、情報収集力営業戦略を理解する分析力提案資料の構成力・ロジカルシンキング<報酬形態>成果報酬型(作成した営業リストからアポ1件獲得で数千円など)固定報酬型(業務内容や稼働時間に応じて月数万円など)アドバイザリー営業戦略や組織づくり、プロセス改善などに対して、短期的にアドバイスやノウハウを提供する副業です。短時間で関与し、高単価な案件が多い点が特徴です。<求められる営業スキル>営業企画・戦略設計の経験KPI管理・改善提案のスキル実践的な提案を行う経験値と実績<報酬形態>定額契約(アドバイザリー契約、月10万円〜)プロジェクト契約(期間・成果に応じた報酬)成果報酬型(目標達成に応じて報酬が支払われる。利益の10%など)顧問・メンター営業組織や個人に対して、長期的に営業に関するアドバイスや育成を行う副業です。営業戦略の立案や営業パーソンの育成、個別の営業課題へのフィードバックなど、指導・支援の業務が中心です。<求められる営業スキル>豊富な営業経験と実績マネジメント・育成経験相手の成長を支援するコーチングスキル<報酬形態>固定報酬型(稼働内容・役割によって変動、月5〜20万円など)スポット報酬型(必要時に稼働、1時間数万円など)成果報酬型(売上の数%など、スタートアップや小規模企業に多い)ハイブリッド型(固定+成果報酬)本業と副業では求められるスキルがどう違う?営業スキルは副業でも活かせますが、本業と副業では求められるスキルやスタンスに違いがあります。特に副業では、限られた時間やリソースの中で成果を出すことが求められるため、より実践的・自律的な能力が重要です。自走力と成果志向がより強く求められる副業では、指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決に向けて動ける「自走力」が求められます。さらに、限られた稼働時間内で最大限の成果を出すことが期待されるため、目標達成に向けた意識とスピード感が問われます。プロセスではなく成果に対する責任が強まる副業では、仕事の進め方や努力の過程よりも、最終的な「成果」が評価の軸になります。例えば、商談数や成約率、提案の改善効果など、具体的なアウトプットや結果に対する責任が重視されます。営業代行やアドバイザリーなど成果報酬型の副業に多く見られる特徴です。コミュニケーション力よりも、短時間で信頼を得る力が問われる副業では相手と関わる時間が限られているからこそ、短時間で信頼を築くスキルが重要です。初対面でも安心感を与える対応や、論理的かつ簡潔に情報を伝えるプレゼン力が信頼構築の鍵になります。つまり、的確な受け答えや、期待を上回る行動が大切なのです。副業に向いている営業職のタイプ営業の副業では、限られた時間やリソースで成果を出すことが求められるため、自律的に動ける人や成果への意識が高い人が特に活躍しやすい傾向があります。ここでは、営業の副業で成果を出しやすいタイプをご紹介します。自ら仮説を立てて動ける営業限られた情報の中で課題を捉え、自分で仮説を立てて検証・改善していける営業タイプは副業に非常に向いています。マニュアルが整っていない案件でも柔軟に対応でき、行動力と判断力があることで、クライアントからの信頼も得やすくなります。コンサル型・提案型営業の経験者顧客の課題を深掘りし、ニーズに合わせた解決策を提案してきた課題解決型営業の経験者も副業と相性が良いです。特に営業支援やアドバイザリー業務では、論理的な提案力と業務改善の視点が評価されやすく、専門性を発揮するチャンスが多くあります。特定業界に詳しい営業職医療、製造、IT、不動産など、特定業界での経験と知見を持つ営業職は、その専門性を買われて副業に招かれるケースが多くあります。業界特有の商習慣や意思決定プロセスを理解していることは、クライアントにとって即戦力となる強みになります。コミュニティ・人脈を持っている営業業界内外でのネットワークや人脈を築いている営業職も、リード獲得や商談のスピード感という面で副業に強みがあります。紹介や横展開を通じて短期間で成果を上げることができ、スタートアップや新規事業の営業支援にも適しています。営業の副業の始め方は?案件の探し方とマッチング方法営業職で副業を始めたいと考えても、「まず何から始めたらいいかわからない」と迷う方は多いのではないでしょうか。ここでは、営業の副業をスムーズに始めるための3ステップを紹介します。ステップ1. 副業に対する自分の目的を明確にする副業をする目的を明確にしましょう。目的によって、選ぶべき副業の内容や関わり方が大きく変わります。副収入を得たい → 営業代行・成果報酬型の営業営業スキルを磨きたい → 営業支援・商談代行などの実務系市場価値を確かめたい → アドバイザリー・知見提供型の副業将来の独立・転職に備えたい → 顧問型・副業プロジェクト参画型などステップ2. 副業案件を探す副業の目的にあった、案件を探しましょう。条件や報酬で比較しやすいように、複数の候補案件をピックアップします。以下のような手段を複数併用し、希望する案件を探します。副業マッチングサイトに登録する企業の求人情報から応募する営業関連のコミュニティを活用するステップ3. 経験の棚卸しや提案書の準備を行う案件に応募する前に、自分の過去の業務経験や成果の整理を行い、自分が何を提供できるのかを明確にします。そのうえで、支援できる内容や実績をまとめた提案書やプロフィール資料を用意します。以下の資料を準備するとよいでしょう。営業職としての職務経験と得意領域過去に達成した成果(例:新規開拓率、成約件数、業界実績など)営業スキルを副業で活かすメリットとは?営業スキルを副業で活かすことには、収入面だけでなくキャリア形成や自己成長の観点でも多くのメリットがあり、本業にも良い影響を与えることが期待できます。市場価値を確かめながら報酬も得られる自分の営業スキルや成果が本業以外の市場でどの程度通用するかを確認できます。業界や企業ごとに求められる営業スタイルは異なるため、自身の市場価値を知る絶好の機会となります。特に、成果報酬型の副業であれば、その結果に応じて報酬が得られるため、モチベーションを維持しやすいです。他業界・他社の営業に触れることで視野が広がる副業を通じて普段関わらない業界や企業と接点を持つことで、自分の営業スキルの偏りや思考の癖に気づいたり、新しい営業手法やアプローチ、戦略に触れたりできます。その結果、柔軟な発想や多角的な提案力が身につき、本業の営業活動へも良い影響を与える可能性があります。知見提供やアドバイザー業で社会に貢献できる自分の知識や経験を、副業を通じて他社の成長支援に活かすことは、社会貢献的なやりがいにもつながります。営業アドバイザーやアドバイザリー契約などの副業では、単に“売る”だけでなく、“仕組みをつくる”側に回る経験ができます。「経験が誰かの役に立っている」と実感できる副業は、自己肯定感やプロ意識を高めるきっかけにもなります。本業では得られない人脈が広がる可能性がある副業を通じて異業種・異業界の人々と関わることで、本業だけでは築けない新たなネットワークが生まれます。こうした人脈は、自分の視野を広げるだけでなく、将来的な転職や独立、副業の紹介といった新しい機会にもつながる可能性があります。営業の副業でよくある不安や注意点とその対策副業を始める際には、さまざまな不安や心配事が伴いますが、課題を理解し対策を講じることで、副業を成功に導くことができます。ここでは、副業の注意点とその対策をご紹介します。成果が出なかったらどうしようか → 現実的な目標を立てる副業で最初から大きな成果を求めすぎると、結果が出ないことに焦りを感じてしまうことがあります。まずは達成可能な目標を段階的に設定し、成功体験を積み重ねることが大切です。進捗を定期的に見直すことで、軌道修正もしやすくなります。本業との両立がうまくいくか不安 → 柔軟に対応できる案件を選ぶ本業と両立しながらの副業では、自身のスケジュールを把握し、ライフスタイルに合わせやすい稼働時間、稼働スタイルの案件を選ぶことが重要です。最初は、夜間・土日対応が可能な案件や、稼働時間が限定されたリモート案件など、負担の少ない案件から始めて、慣れてきたら徐々に広げていくのがおすすめです。会社に副業がバレないか → 会社の副業規定を確認する就業規則に「副業禁止」や「申告制」などの制限がある場合、無断で始めると懲戒処分の対象になることもあるため、会社の規定を確認することが大切です。許可制であっても、会社側に不利益がないこと(競合・利益相反がないこと)を事前に確認しましょう。報酬が不安定 → 固定報酬や短時間で結果が出る案件から始める最初は固定報酬型の案件や、短期間で成果が出やすい案件から始めることで、安定した収入を得ながら副業に慣れていきましょう。徐々に成果報酬型や長期案件に移行することで、収入の幅を広げやすくなります。まとめ|営業経験を活かして、働き方の選択肢を広げよう営業スキルを活かした副業は、収入を得るだけでなく、自分の市場価値を試し、視野を広げ、人脈を築く機会になります。まずは副業する目的や働ける時間などの希望条件を整理し、無理のない形でスモールスタートしてみませんか。思っている以上に気軽に始められる営業の副業は、あなたのキャリアの可能性を何倍にも広げてくれます。