講演や出版の経験を持つエキスパートが集い、互いの取り組みや想いを共有する場として、NewsPicks Expert(運営:株式会社ミーミル)は「講演・出版経験者限定 エキスパートミートアップ」を開催しました。背景にあるのは、「話す」「書く」といった伝える力を持つ方々が出会い、知見を広げ合うことで、新たな挑戦のきっかけが生まれるのではないかという思いです。NewsPicks Expertでは、2025年6月に法人向けサービス「NewsPicks 法人研修」をスタート。加えて、NewsPicksとの連携により、「認定エキスパート」としてニュースへのコメントを届けたり、「BookPicks」や「トピックス」で発信の機会が増えたりするなど、活躍の場が少しずつ広がっています。今回のイベントでは、そうした取り組みの紹介に加え、6名のエキスパートによるライトニングトークや、参加者同士が語り合う懇親会も実施しました。当日は、先端技術やサステナビリティ、医療、金融、地域活性化、ブランディングなど、多様な分野に専門性を持つエキスパート93名が参加。専門領域や肩書きを越えた熱のこもった対話が、あちこちで交わされました。本レポートでは、NewsPicks Expertが提供する新たな発信の場や、エキスパートによるライトニングトークの内容を中心に、当日の様子をお届けします。NewsPicks Expertが描く、知見と発信のエコシステム冒頭では、NewsPicks Expertを運営するミーミル代表取締役の川口荘史から、今回のイベント開催の背景と、NewsPicksとの連携による取り組みについて紹介しました。現在、NewsPicksでは、ピッカー・エキスパート・トピックスオーナーといった社内外の知見をつなぎ、「人的資本のエコシステム」を統合してつくっていく動きが進んでいます。今回のイベントもその一環で、講演や出版の経験を持つエキスパート同士が出会い、対話を通じて新たなチャレンジのきっかけを得てもらうことを目的に開催したと語りました。こうした連携の中で、2025年3月にはNewsPicks上のニュースにコメントをする「認定エキスパート」がスタート。また、適時開示や決算情報に対して専門的なコメントを届ける「業界ウォッチ」機能も公開されました。コメントの質が高まって活発になっており、そのコメントを見た記者から取材が届くケースも増えてきていると話します。さらに、法人向けの新たな取り組みとして、「NewsPicks 法人研修」の展開についても説明しました。今後は経営企画・営業・研究開発・人事など、幅広い部署に向けてエキスパートの講演を中心にプログラムを展開していく予定です。講演や出版といったアウトプットは、個人が専門性を活かして価値を広げていくうえで、時間単価や影響力の面でも非常に有効であると強調。自身の出版経験にも触れ、「出版の大変さ」と「価値の大きさ」をあらためて実感したと述べ、参加者への敬意を込めながら、今後はさらに単価が高く、活動の幅が広がるような機会を提供していきたいと話しました。そして最後には、「皆さんが“ナレッジの品質”で自分の価値を証明し、社会に届けていく。その先には、サービスの枠を超えて“社会的資本”として活躍していく未来があるはずです。そんな姿を一緒に目指していけたらと思います」と締めくくりました。エキスパートの活躍機会を広げるNewsPicksのサービス続いて、NewsPicksの中島洋一、重村真輝、豊岡愛美より、エキスパートの知見をより多様な形で社会に届けるための取り組みについて紹介がありました。未来をひらく知性を編集する「Thoughtscape」はじめに中島からは、NewsPicksが立ち上げた戦略エディトリアルファーム「Thoughtscape(ソートスケイプ)」についての紹介がありました。Thoughtscapeは、リーダーやエキスパート、企業の「理念と知恵」を編集の力で言語化・結晶化をし、社会に届けることを目指した事業です。低迷する出版業界では「本が読まれない」ことが課題となり、メディア業界ではアテンションと可処分時間を奪い合う“消耗戦”のような状況が激化していると中島は指摘。こうした構造的な問題に対するカウンターとして、たどり着いたのが「ソート・リーダーシップ」という考え方でした。中島はこの概念を「ソート(思想・意思)を持つ人が、その発信を通じて信頼と敬意を勝ち得、周囲に対して自然とリーダーシップをとる現象」と定義し、「その状態を実現するには、SNSや出版やポッドキャストなどどう届けるか以前に、思いや考えを深め、言語化・結晶化することが必要だ」と語りました。Thoughtscapeでは、一流の編集者を集め、商業出版と企業出版の両方の特徴を活かしながら、企画の初期段階から伴走するサービスを提供。ソート・リーダーシップの実践の重要性を呼びかけました。書籍にコメントできる「BookPicks」続いて重村からは、NewsPicksの書籍に関する新プロジェクト「BookPicks」の紹介がありました。NewsPicks上でニュースにコメントする感覚で、書籍に対する感想やおすすめポイントを投稿できる機能が目玉です。特に著者や出版に関わる方にとっては、自身の書籍を検索し、「この本の著者です」と明記したコメントを投稿することで、読者との新たな接点をつくりやすくなると説明しました。さらに、全国の書店と連携した「書店の週間ランキング」の掲載や日替わりでおすすめ書籍が紹介される「今日の本屋さん」という企画も展開しています。今後は出版社や著者、読者を巻き込んだコラボレーションも予定しており、「書籍を起点とした新たな発信の場を広げていきたい」と語りました。専門性を投稿・発信できる「トピックス」最後に豊岡から、NewsPicksのプラットフォーム「トピックス」についての説明がありました。トピックスは、各分野の専門家が、自身の知見や関心に基づいて記事を投稿する場です。投稿は誰でも行えるわけではなく、NewsPicksからスカウトされた方や、公募を通じて選ばれた方が「オーナー」として執筆しています。現在、約350名のオーナーが活動中です。発信を通じて、NewsPicks編集部からの取材依頼や、プロピッカーとしての起用、さらには書籍化に発展する事例も増えており、「NewsPicks NewSchool」への登壇やJ-WAVEのラジオ番組への出演など、活動の幅を広げている方もいます。今後もオーナーの公募は継続予定とのことで、「情報発信に関心がある方はぜひ注目してほしい」と呼びかけました。以上が、NewsPicks ExpertとNewsPicksの連携に関する各プロジェクトの取り組み紹介です。エキスパートの皆さま一人ひとりが、自身の知見を社会に届け、信頼や共感を得るための選択肢として、これらの取り組みをぜひ活用いただければと思います。今後も私たちは、そうした機会をともにつくっていけるよう連携を深めてまいります。ライトニングトーク|講演・出版で得たこと、これから取り組むことイベント中盤では、講演や出版の経験を持つ6名のエキスパートによるライトニングトークを実施しました。それぞれの視点から、講演・出版の経験で得た気づきや、今後取り組みたいテーマについて語られ、会場には頷きやあたたかな拍手が広がりました。生駒 正明 氏(株式会社ビジネス交渉戦略研究所 代表取締役)小塩 篤史 氏(麗澤大学 工学部 情報システム工学専攻 専攻長/教授、東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 特任准教授、株式会社HYPER CUBE 取締役CTO)生井 秀一 氏(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長(元花王株式会社))和田 幸子 氏(株式会社タスカジ 代表取締役)秋田 大介 氏(株式会社イマゴト 代表取締役)相澤 詩香 氏(REX BRAND株式会社 代表取締役、ラグジュアリーエキスパート®)▼生駒 正明 氏(株式会社ビジネス交渉戦略研究所 代表取締役)日本で唯一の「ビジネス交渉コンサルタント®」として、企業で働く人々を対象に、年間のべ約2,000人規模で研修・講演を行っている生駒氏は、昨年出版した著書『なぜかうまくいく交渉術』がNewsPicksで紹介されたことをきっかけに、メディア取材や講演依頼が急増したと振り返りました。たとえば「価格交渉の極意」といったテーマでの講演後には、「意識が変わった」といったポジティブな声が受講者から寄せられ、大きなやりがいにつながっているといいます。今後は「交渉でもったいないをなくす」をテーマに、交渉力不足による機会損失の解消に取り組んでいきたいと語り、懇親会では異なる分野の参加者とパートナーシップを築けることを期待していると呼びかけました。▼小塩 篤史 氏(麗澤大学 工学部 情報システム工学専攻 専攻長/教授、東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 特任准教授、株式会社HYPER CUBE 取締役CTO)AI研究者として長年活動し、複数のスタートアップを経営する小塩氏は、“やさしいAI”の実現をテーマに掲げています。著書『やさしい知性』では、AIが知識を提供する時代における人間の知性のあり方を探求。NewsPicksのトピックスでも情報発信を続けており、講演では生成AIやプロンプト設計などを扱い、研究・事業・教育と幅広い領域を対象にしています。発信を通じてファンが増えるなど「言葉にして届けることの意味」を実感しつつも、執筆は「自分の過去と向き合う苦しい時間」だと振り返ります。それでも届いた反響が自身の成長につながっていると語りました。最後に「懇親会ではAIや哲学に関心のある方とぜひ話したい」と呼びかけ、今後の共著や協業の機会に期待を寄せました。▼生井 秀一 氏(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長(元花王株式会社))花王でDX部門の部長を務めた後、地元・茨城県の中高一貫公立高校で校長を務める生井氏は、企業での採用経験から「テストでは測れない力」の必要性を痛感し、教育の道へ転じたと語りました。著書『13歳からのアントレプレナーシップ』では、その転身の背景や教育に対する思いを紹介。YouTubeで再生回数1万回を超えた対談動画をきっかけに、メディアでの発信も広がっているといいます。学校運営にはマーケティングの視点も取り入れており、志願倍率の向上など成果にもつながっていると説明。業界を越えて活かせる「持ち運べるスキル」の重要性を訴え、人生100年時代をどう生きるかを自ら体現していきたいと今後への意欲を示しました。▼和田 幸子 氏(株式会社タスカジ 代表取締役)共働きで子育てと仕事を両立する中で直面した課題から、家事代行マッチングサービス「タスカジ」を起業した和田氏。「自分と社会のために行動する人が増えれば、社会はより良くなる」と語ります。講演では、新規事業の立ち上げやイノベーション人材の育成、女性活躍といったテーマを軸に、自身の経験をもとにした話を展開。2022年時点で登壇回数は100回を超えているといいます。現在は、タスカジで蓄積した家事データをもとに、「家の中に正しい仕組みを作れば家事は限りなくゼロにできる」という元SEならではの視点から、ライフスタイルの再定義に取り組んでいます。講演や書籍などを通じて、より豊かな暮らしを社会全体に広げたいと締めくくりました。▼秋田 大介 氏(株式会社イマゴト 代表取締役)神戸市職員として約20年勤務した後、官民連携による社会課題の解決に取り組む秋田氏。全国で講演やプロジェクトのコーディネートも行っています。行政だけでは対応が難しい課題に対し、“逃げない企業”とも言われる地元の中堅企業と連携し、公共空間の利活用や観光振興など地域活性化を推進。障がいがあっても一緒に楽しめるユニバーサルビーチ(須磨)や、河川敷の空間活用(加古川)など、社会性と持続性を両立する取り組みを続けています。現場で見えてきたのは、「行政はやる気がないのではなく、やり方がわからない」という実情。一方で、社会に貢献したい企業や若者が増えているといいます。こうした想いをつなぐべく、関わる人すべてがワクワクできる仕組みづくりを目指していると語りました。▼相澤 詩香 氏(REX BRAND株式会社 代表取締役、ラグジュアリーエキスパート®)ラグジュアリーブランディングの専門家として活動する相澤氏は、昨年、ぺんてる社とともに大人向けアートクレヨンのブランディングに取り組みました。8色で3,300円という高価格にもかかわらず、多岐に渡る戦略が功を奏し、発売初日に完売。その一環として、相澤氏が手がけた『ラグジュアリー手法による「体験価値」と「世界観設計」』により、イタリアの高級家具ブランドとのコラボレーションも実現。話題を呼びました。この事例からは、「日常的な商品にもラグジュアリーを掛け合わせることで新しい価値が生まれる」「異なる世界観の融合がイノベーションを生む」といった気づきや反響が多く寄せられたといいます。今後は、こうした手法を体系化し、ラグジュアリー・アカデミーの開校を通じて、誰もが“特別から格別へ”を実現できるような場をつくっていきたいと語りました。短い時間ながらも、登壇者それぞれの「伝えたい想い」と「これからの一歩」が凝縮されたセッションとなりました。懇親会でも多様な出会いと刺激が生まれた1時間に懇親会では、90名を超える参加者と社員がドリンクや軽食を手に交流し、名刺交換をきっかけに、業界や職種を越えた活発な対話が広がりました。「他のビジネス交流会とは異なる特別な時間だった」「登壇者の姿に勇気をもらった」「もっと時間がほしかった」といった声もあり、異なる視点に触れ、刺激を得られるひとときとなりました。今回のミートアップは、「講演・出版経験者限定」という共通点を持つ方々が集い、互いの知見や経験を率直に語り合える貴重な場になりました。NewsPicks Expertではこれからも、知見を持つ方がその力を外の世界へと届け、新たな挑戦につなげられるような機会を広げていきます。今回ご紹介した「NewsPicks 法人研修」をはじめ、NewsPicksとの連携を通じて、より多くの活躍の場を提供してまいります。まだNewsPicks Expertに登録されていない方も、ぜひこの機会にのぞいてみてください。あなたのこれまでの経験が、誰かの気づきや行動につながるかもしれません。キャリアアップにつながる副業「NewsPicks Expert」とはNewsPicks Expertは、「個人の知見」を「企業の意思決定」につなぐエキスパートプラットフォームです。クライアント企業から様々な相談を受け、これまでの経験や知見を活かした見解やアドバイスを伝えることで報酬を得ることができます。現役会社員が登録者の7割以上を占めており、所属企業でのお仕事を続けながら、30分〜1時間程度のスキマ時間を有効的に活用して挑戦しています。仕事で培ってきたスキル・経験・知見が、所属企業以外で活きるかを確かめてみることから始めませんか?