Q1. 2025年に挑戦したこと・変化があったことは何ですか?
私は建築家とインテリアデザイナーとして活動しています。
2024年は、仕事の中で画像生成AIを使う機会が一気に増えた一年でした。
とくに海外案件が増え、言葉では伝わりにくいイメージや感覚を共有する場面でAIが圧倒的に役立ちました。
細かいニュアンスを英語で説明するより、生成した画像を見せた方が相手の理解が圧倒的に早い。
そのスピードと正確さは、これまでのコミュニケーションを根本から変えるものでした。
「言葉よりイメージのほうが早く正確に届く」
この実感を何度も味わいました。
そして2025年は、この経験を教育の現場に広げた一年でした。
専門学校での公開講座をきっかけに、企業向けの講義や研修も本格的にスタートしました。
最初の依頼は専門学校の学科長からのもので、テーマは「AIとコミュニケーション」。
建築の世界では、伝統継承、創造、技術的すり合わせなど、多層的なコミュニケーションが求められます。
私はそこで
「AIでコミュニケーションをどこまで補えるのか」
を実践的に示す講義を行いました。
AIを使えば何が補えるのか。
逆に何は補えないのか。
そして両者をどう組み合わせたら、コミュニケーションがもっと豊かになるのか。
これを整理しながら挑んだ、新しいタイプの講義でした。
Q2. その経験を通じて得た学びや、印象に残った気づきはありますか?
講義の中で強く感じたのは、画像生成AIは便利な道具というだけでなく、
人の思考を引き出す媒体として働くということです。
AIを使えば使うほど、生徒たちは自分の感覚を言語化しないと先に進めなくなる。
「自分は何を表現したいのか」
「どんな世界観がしっくりくるのか」
これを説明しないとAIが動いてくれないからです。
この“言語化のプロセス”が、結果としてその人の個性をより鮮明にしていました。
最終成果物を見たとき、私はちょっとした衝撃を受けました。
用意していた仕掛けを超えて、学生の“その人らしさ”が想像以上に表れていたからです。
まるで頭の中をのぞいたかのような感覚でした。
観察していると、また別の特徴にも気づきました。
論理と感覚をうまく切り替えられる人は、表現の幅が自然に広がるということです。
同じ会社で働いていても、日常的に新しいものに触れている人のほうが、生成される画像に“その人らしさ”が出る。
文章と同じで、自分の中のキーワードの量が画像に反映されるからです。
AIはそれを驚くほど正直に映し出します。
そしてこれは余談ですが、画像生成につまずいている人に
「毎日、同じもの食べがち?」
と聞くと、ほぼ全員「YES」と答えます。
私も同じものを食べがちなので、笑ってしまいました。
少しでも新しい刺激を入れることが創造性にとってどれほど大事か、再認識しました。
海外案件では文化の違いから言語だけでは説明しきれないズレが必ずあります。
しかしAIでイメージを共有すると、その差異が一気に小さくなる。
2025年は、AIがコミュニケーションを補い、人の個性をむしろ引き出すという実感を得た一年でした。
Q3. 2026年に向けて、どのような構想や挑戦を思い描いていますか?
2025年の経験から確信したのは、画像生成AIの教育は建築の専門家だけでなく、一般の人の価値観を引き出す強い働きを持っているということです。
特に住宅分野では、その効果が大きいと感じています。
多くの人は「自分の好き」や「理想の暮らし」を言葉にできないまま、不安を抱えて住まいづくりを進めています。
しかしAIを使うと、普段意識していない色や素材の好み、心地よさを感じる空気感、安心できる要素が驚くほど素直に現れてきます。
こうして浮かび上がってくる“その人らしさ”は、住まいの選択や暮らし方を決める上で大きなヒントになります。
2026年は、一般の人が自分の価値観を可視化し、「自分らしい暮らし」を自分で選べるようになるワークショップや診断ツールを開発していきたいと考えています。
そしてAIが引き出す“その人らしさ”を、より多くの人の暮らしや空間につなげていく一年にしたいと思っています。



