Q1. 2025年のNewsPicks Expert活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?
「国内激甚化の情報収集」という、フラッシュオピニオンの案件をいただいた。
この案件はのちにインタビューにも発展し、フラッシュオピニオンで回答したコメントが、ベストオピニオンに選出されることにもなった。これは自分にとって非常にうれしく、光栄な出来事でもあった。
自分が激甚化災害に直接的被害にあったわけではなかったが、2011年の東日本大震災では、当時仙台に自宅(マンション)を所有しており、自分と家族は東京に居たなかで、その自宅マンションは全壊と判断される被害があった。
また当時勤めていた会社は名取市にあり、本社社屋は大きな被害にあった。3年間住み、暮らし、仕事で走り回った東北の地が、見慣れた風景が一変したことを思い出した。
また、2014年の広島土砂災害では、当時広島市内に住んでおり、すぐ隣の区で、あの激しい土砂災害があった。あの夜は激しい雨と激しい雷で、数分おきに停電が発生し恐怖した。そしてあくる朝の光景に言葉を失った。このような経験をしたことで、私は今度こんなことが自分の身の回りでおきたら、どんな形でもいいので、自分の身を提供し、何でもいいので、自分の持てるものを提供したい。という思いに駆られ、防災士となったり、救急救命の講習を受けたり、自分の建設業のスキルを活かせるように、小型車両系建設機械の技能講習を受けたりしてきた。
案件の回答では、自分の経験と、それだけでは足りないので、AIも使いながら深くリサーチをして、コメントの回答、インタビューの回答をさせていただいた。激甚化の経験は、私に、実際に目の前で災害が発生したら、どのような行動で、どのように自分のキャリアを活かし、被災者を始めとして、この社会へ自分を役立たせることができるのか?を常に考えるきっかけを与えてくれたことでもあり、そのことを披露できる機会を得て、この案件は非常に印象に残っている。
自分だけの経験だけでなく、質問から新しい情報をリサーチすることで、新たな知見を取り入れることができて、非常に大きな財産になった。
Q2. その経験を通して、「自分の知見を発信すること」にどんな価値を感じましたか?
自分では当たり前であることも、他人においては、それは当たり前ではなく、とても有意義であり、今必要な情報であることを再認識した。
東日本大震災も、広島土砂災害も、実体験者として、災害発生時から復興までの期間、実際に目にしてきたこと、新たに経験したこと、感じたことは、自分のこれまでの経験と融合することで、新たな視点となり、新たな価値となっていく。
そのうえで、こうすればいいのではないか?とか、もっとこうできないか?とか、あんなやり方もあるのか!など、生で得た情報をインプットし、インプットされた情報を自らの言葉で発信することによって、その言葉を受け止めた人が、その人のこれまでの経験と融合することで、さらに別の新たな価値として生まれる。
この連鎖が広がることで、自分が発信した価値は、それを受け止めた人の価値を上乗せして、どんどん大きな価値になっていくのだろうと感じた。
だからこそ、臆することなく、自信をもって、自らの知見、価値を発信するべきだと感じている。
Q3. 生成AIが発達する中で、人が提供する知見の価値はどこにあると思いますか?
生成AIは必須である。情報を瞬時に大量にまとめて出力してくれることは、人間には不可能な領域でもある。が、AIが大量に的確に瞬時に出力する答を導き出せるのは、人がAIに出す問いの質による。問い質とは、人が経験した、見て・聞いて・触って・匂って・発した、五感が体験したこと、その体験が深ければ深いほど、AIから的確な情報を引き出せる。と私は思っている。
その人が体験してきた、体感してきた経験、知見と、生成AIの融合こそが、これからの社会には必要だと思っている。なので、単なる使いこなすためだけのプロンプトではなくて、その人が生きてきた人生を、そのプロンプトに込めることができるか?ストーリーとして組み込むことができるか?が、人が提供する知見の価値であると思う。
エキスパート活動では感情を発信することはほとんどないけども、現在のAIができない、出せない感情の部分を表現、発信できる世界になれば、もっと人間らしい世界になると思う。
人が行う判断なんかは、経験や知識だけでなく、感情の部分が大きなウェートを占める。そもそも経験自体が感情と紐づいて記憶されるものだから。



